部会(衛生・経営・環境)合同会議開催

協議会として令和5年度半ばからスタートさせた、部会合同会議が4月1日(月)旭市内で午後6時半から開催されました。合同会議前の5時から経営部会(会長:北田好克)を開催しベンチマークで令和4年(2022年)データーの提出があった生産者6名による会議が開催されました。部会長から、提出のあったデーター分析表が個々に配布されデーター全体の解説がありました。その中で、千葉県の養豚地帯(北総)では、気候が温暖で管理がし易く、飼料工場(鹿島)も近いなど他県から見ると多くのメリットのある中で経営をしていると見られている。

しかし、例数は少ないが、決して飼料費は安くない。また、衛生費、事故率が極端に高い数値が出ていると指摘。生産費の約6割を占める飼料費用を下げる努力を促した。また、データーチェックポイントとして①年間出荷頭数(/母豚/年)②枝肉重量 ③飼料費を上げ、特に飼料費は安く購入して肉豚は高く売る事が重要。生産コストの中の飼料費を下げるために飼料米の利用(飼料メーカーに委託し仕上げ期に35~40%配合)エコフィードなどの活用、飼料メーカーとの交渉など取組を提案。また、1母豚当たりの生産頭数から肉豚出荷を多くするとの問題で、多産系種豚を利用するか、また繁殖成績では多産系には劣るが、従来の系統を利用し、より美味しい豚肉生産を求めるか常に議論されている問題ではあるが個々の選択肢もある。ただ、多産系である豚は、体質が弱い傾向にある。この辺を十分考慮しておく必要がある。またデーター提出シートの各項目について記載方法も確認がされた。

経営部会(ベンチマーク検討会)

北田経営部会長

ベンチマーク参加のための記載項目

必須項目

① 常時母豚数(頭) ⑤ 年間出荷頭数≪肉豚≫(頭)
② 年間種付け頭数(頭) ⑥ 年間出荷総枝肉重量(㎏)
③ 年間分娩頭数≪母豚≫(頭) ⑦ 年間飼料購入量(㎏)
④ 年間離乳頭数≪子豚≫(頭) ⑧ 事故率(%)

① 再発種付けも1頭と数える   ② 候補豚は含まず、初回種付け後頭数

推奨項目(任意)

⑨ 年間総販売額≪肉豚≫(円) ⑫ 年間ワクチン・抗生剤費(円)
⑩ 年間総産子数(頭) ⑬ 出荷日齢(日)
⑪ 年間産子数(生存)

⑨ 内臓等副産物を含む、と畜経費等経費は引く(売り先から振り込まれる金額)

⑫ 税込みで消毒薬等は含まない

理想項目(任意)

⑭年間総飼料費
⑮従業員数(農場内)

⑭ 税込み

衛生・経営・環境3部会合同会議は、部会員12名(経営部会5名・衛生部会4名・環境部会3名)により6時30分過ぎから懇親・懇談の中で開催されました。食事を摂りながら、生産者個々による部会問題に関する意見交換が行われた。懇談の終わりに、各部会長から、令和5年度の取組の感想と新年度への取り組みについて次の内容での報告がありました。

有意義な情報交換の場となった部会活動

3部会の取りまとめ役でもある菅谷会長代理

林 衛生部会長

❉経営部会:今回(2022年)の分析結果7件の報告を踏まえ、令和5年(2023年)提出目標件数20件を求め、分析データーは非常に興味深いものであったと報告。自らのデーターを知ることで改善すべき点が見えてくると参加を促した。

❉衛生部会:報告があったように、衛生費、事故率が高い。この点をなんとか改善していく必要は以前から承知している事ではあるが、なかなか良い方向への改善ができていない。経営部会との絡みから飼養衛生管理の基本から各農家の対応を求めていく事の必要性を強調した。

❉環境部会:開催された3回の報告書が出席者に配られ、総括的な報告として①臭気問題の啓発活動②情報の共有③臭気低減資材情報④行政への要望をあげた。臭気については、生産者本人が出している匂いであり、生産者が行動しなければならない問題。農場周辺の美化活動、たい肥処理方法(時間の配慮)など臭気問題の啓発活動がまずスタートと取組を促がした。

熱田 環境部会長

今回ナイスポークの中に3つの部会がスタートしたことは、活動として大きな前進と評価する意見が出された。現在ナイスポークの会費が肉豚20円/頭である。県下の生産者全員が会員ではない。数字として見えるメリット例えば20円の会費で30円のメリットがあると言うような具体的な会員加入推進策が必要との意見もあったが、数字によるメリットを出すことは非常に難しいとの結論であった。先日開催の養豚振興プロジェクト委員会で消費者の皆さんとの意見交換を通じ、千葉県産豚肉(国産)の消費拡大がより重要との意見も出され、国民一人当たりの豚肉消費を伸ばしていくことは、今後日本の人口が減少していく中で重要である。各種消費拡大イベントに生産者が直接参加し、消費者との交流が大切である。豚肉を無料配布(焼き肉・しゃぶしゃぶ)すればいいというものではなく、養豚の現状を少しでも知ってもらう情報発信の場とし、一人でも国産豚肉を消費する応援団になってもらうことが大切。

経営部会のメンバーの高安会員

また、循環する第一次産業(農業・畜産)を育て発展させるために、後継者育成が大切との意見も出された。養豚でも現状厳しい経営状況ではあるが後継者育成を真剣に考えていかなければならない。現役員の後継を育てていく事が業界として重要であることから青年部の活動(20~30歳代)を積極的に進めていく必要があるとの意見が出され、今後令和6年度事業活動の中で対応を図っていく事とした。今後も部会活動の成果を求め、活発に活動していくこととし会を閉じた。

≪事務局から≫

ナイスポーク役員以外の皆さんが関心のある部会への参加をおおいに期待したい。特に経営改善のためのベンチマーキングについては、現在2023年(1~12月)のデーター提出をお願いしています。関心があれば事務局までご連絡下さい。記入用紙を送付いたします。