令和6年度通常総会盛大に開催
2024年6月5日(水)
令和6年度通常総会は、事務局から本日の出席者及び委任状提出者数を報告し会員の過半数に達していることから総会成立を告げ、15時千葉市内オークラ千葉ホテルにおいて開催されました。
司会は加瀬和則理事が対応し、北見則弘副会長からの宣言により開会されました。
本日の出席者数は125名(来賓:30名・賛助会員:53名・生産者会員42名)で、開会に際し、青柳耕一会長から「養豚を取り巻く情勢は、あらゆる資材が高騰し、生産コストが上昇するなかで、養豚経営が健全に生き残り、産業として持続的に発展しながら豚肉の国内自給率50%以上を維持していくためには解決すべき課題が山積しています。また、ご承知の通り5月下旬、ワクチン接種により落ち着いたかに見えた豚熱が栃木、岩手両県で発生が確認され、気を緩めることのできない状況です。先般、協議会活動として取り組んできました、レンダリング装置を活用した埋却から焼却への対応を求める署名活動は、生産者、関係者のご協力により嘆願書として5月10日県知事へ提出いたしました。このような情勢の中で、明るいニュースといえば日本人一人当たりの豚肉消費量が少しずつ上昇していることです。これは日本の養豚産業が世界で最も肉質にこだわる国民のニーズに応へ生産に努力を重ねてきたからにほかありません。そうした国産豚肉の信頼と生産性を更に高めることによりコストを下げ、安全・安心という価値をより一層高めることがより重要であると考えます。このような状況を踏まえ、令和5年度協議会は、衛生・経営・環境の3つの部会を立上げ、課題改善と生産性を高める取組をスタートさせました。何れも簡単に成果が得られる状況ではありませんが、会員一人一人がこれらの部会に参加し、目標を持って経営へ取り組んでまいります。また、将来を担う若手生産者による青年部設置を検討してまいります。 本年も地元国会議員・県議会議員・県及び関係団体、関連業界からのご指導・ご支援・ご協力を頂きながら消費者が求める安心・安全・美味しい豚肉生産のため精一杯活動してまいります」と挨拶。
ご来賓として出席された豊田俊郎参議院議員、県議会議員会畜産振興議連信田光保幹事長、県前田敏也農林水産部長、(一社)日本養豚協会鋤柄卓夫事務局長、(株)日本政策金融公庫嶋貫伸二千葉支店長からそれぞれご祝辞を頂きました。
また、国会公務の関係から国会議員の代理として出席された林幹雄衆議院議員、松本尚衆議院議員猪口邦子参議院議員の各秘書を紹介し、同時に県畜産総合研究センター島田純センター長、全農千葉県本部都築延吉畜産部長、県消費者団体連絡協議会和田三千代会長、NPO法人いきいき畜産ちばサポートセンター計良伸行副理事長他会場の来賓17名をご紹介致しました。
また、林 幹雄衆議院議員からの祝電を披露いたしました。
議案の審議は、会則により青柳会長を議長に選出し、下記全議案のご承認を頂きました。
第1号議案:令和5年度事業報告並びに収支決算に関する件
第2号議案:令和6年度事業計画並びに収支予算(案)に関する件
第3号議案:会費賦課・徴収時期及び方法(案)に関する件
総会を終え、例年その時々の関心の高い内容で記念講演を開催しておりますが、今回ナイスポークとして昨年秋に立ち上げた部会報告を担当会長から報告をいたしました。総合司会を務めたナイスポーク菅谷会長代理から「設置された部会は、衛生、経営、環境の3部会に、本年立ち上げる青年部会の4部会です。報告の主体は、衛生部会としてレンダリング装置を活用した埋却から焼却処理を求める活動の経過報告です。経営部会はベンチマーキング、環境部会は臭気に関する報告です。青年部会は本年の活動計画の報告です。
衛生部会 |
林 浩之部会長から「レンダリング装置を活用した埋却から焼却処理を求める活動」と題し2022年10月に開催された農林水産省消費安全局動物衛生課との意見交換の場での慢性疾病・豚熱の要望として、特に殺処分された家畜の処理方法としてレンダリング装置を活用した埋却から焼却処理を切望。11月にはナイスポーク理事会において嘆願署名推進が決議され、12月の活動報告会で広く関係者にその決意を報告いたしました。
レンダリングを求める県との意見交換会、自民党県議会議員会畜産議連との情報交換会の開催、市町村におけるレンダリング装置活用に関する説明会開催を経て、生産者による候補地を香取市、旭市に設け、装置設置のための場所を県関係機関との下見を踏まえ、5月10日県議会自民党応接室において自民党畜産議連三役に経過を報告し、その場において千葉県に対し知事への嘆願書の提出をした旨、経過を報告いたしました。
今後のレンダリングの対応と検討内容として下記項目を掲げた。
(1)まずは豚熱を発生させない
(2)バイオセキュリティの強化によりウイルスの侵入を許さない
(3)レンダリング装置設置可能な候補地を一カ所でも多く確保していく
(4)焼却処理の対応を地域で推し進める
(5)国に対し殺処分した家畜の焼却処理推進を中央組織と連携・要請していく
また、2024年度衛生部会として取り組む目的と課題として
「生産性向上に不可欠な衛生対策改善・強化により経営の安定を目指す」
(1)慢性疾病対策(PED・PRRS)
(2)地域取組に関する情報の共有と対応
(3)バイオセキュリティの強化のための情報の共有
(4)レンダリング装置活用のために必要な情報の確保と準備検討
と上記内容について説明いたしました。
衛生部会 林 浩之会長
経営部会 |
北田部会長が都合で欠席したことから、部会員である芳野 守理事から報告をしました。
はじめに部会としてベンチマーキングを推進する目的として、養豚産業を継続するうえでは、生産効率の改善やコストの削減が重要であり、そのためには自農場の弱点や課題を客観的に評価・抽出する必要があることからベンチマーキングが方法としてあげられると解説。令和5年度通常総会における記念講演から、2つあるベンチマーキングの1つである農場内ベンチマーキングは自農場のデーターを継続して記録し、売上やコストなどの経営成績や、出荷頭数・事故率などの生産成績の傾向や成長を確認・比較することができ、農場主の仕事のやりがいや、従業員のやる気アップにつながる。2つ目は農場間ベンチマーキングで、自農場のデーターを参加している他の農場と比較することで、業界における自農場の立ち位置を把握すると共に改善できるポイントを確認することができます。また、参加している仲間同士で勉強会を行えば、改善するにはどうすればよいのか、他の農場ではどのような経営や飼養管理を行っているのかなど、有意義な意見交換もできます。
また、豚事協2023セミナーにおいて「ベンチマーキングを通した経営改善を進める重要性について」をテーマとしており、「高コスト経営環境下で養豚経営を継続していくためには、ベンチマーキングを活用した徹底した数値管理で、更なる生産コストの削減に取り組むことが第一」とベンチマーキングの活用を強く推奨しています。
ナイスポークが取り組む経営部会では、ベンチマーキングを実施するにあたり15項目を指標としました。必須項目・8項目と推奨項目として販売額やワクチン抗生剤費などの5項目、理想項目として飼料費と従業員数の2項目と説明。常時母豚数と事故率と出荷日齢の3項目を除けば、日々の記帳により簡単に求めることができる項目となっていると解説。
これは北田部会長がJASVベンチマーキングに当初から参加しており、ベンチマーキングについての理解が深く、ナイスポーク会意の参加への負担感を和らげ、かつベンチマーキングで得られる指標として十分との考えから15項目に厳選しました。
また、まだ例数が少ないものの2022年度の分析から、飼料費、事故率の高さを指摘し、改善を促しました。 2024年度の取組として取り組む目的と課題として『自らの経営内容を数値で確認・分析し、問題点の改善を図ることで安定した経営を目指す』
(1)ベンチマーキングの必要性を説き、呼び掛けにより参加者を増やす
(2)ベンチマーキングに関する情報の共有・・・講習会・勉強会の開催
(3)分析結果から改善への取組
(4)全国的な組織に積極的に参加し
ベンチマーキングの促進を図る
終わりに部会長である北田ナイスポーク副会長のメッセージを披露し、生産者の皆さんが安定した経営を目指せるよう活動していきますと報告しました。
環境部会 |
熱田 力部会長から、千葉県における臭気問題について現状の報告がありました。
県東部では、養豚農家密集地のため、住民が悪臭に悩まされている地域では公害問題が浮上しており、養豚で発生する悪臭は付きものとしてかたづけられない。今後、地域住民の理解を得られないと経営存続ができなとの危機感を持って、地域行政との連携により対話と対策が必要と分析。令和5年度の活動として①情報の共有(苦情の状況・対策)②過去の事案(解決策例)③臭気問題の啓発活動④臭気低減資材等の情報の共有④行政との情報の共有・連携。特に臭いの発生源は生産者であり生産者自らの行動が不可欠であることから臭気問題を啓発していくことがスタートと分析した。
2024年度の取組として取り組む目的と課題として、臭い対策は臭気を無くすという物理的な問題から経費の負担が生じる。
先ずは農場の美化など啓発活動をしていくことで、環境対策の活動の理解を得ることが先決であるとし次の項目を上げた。
(1)どのように啓発していくか検討
(2)生産者アンケートを実施
(3)問題の多い時期(5~10月)までに何が出来るか
(4)費用をどの程度かけられるか
(5)養豚生産推進に繋がるか
部会として意見を集めて行きながら、他の部会との意見交換を図り活動を推進する。
青年部会 |
米本部会長から、ナイスポークとして従来から青年部の活動を進める計画はあったが、充分な活動ができていなかった。本年4月1日に開催された3部会合同会議において、今後養豚振興を図る上で後継者育成が特に重要であるとの意見がだされ、2024年部会の設置となった。まず、毎回検討される部会参加年齢については、ナイスポークとして当面45歳としたい。2024年度の取組として「県内若手生産者(後継者)による交流、仲間づくりと情報交換により安定した経営を目指す」とし次の活動を掲げた。
(1)県内、近県若手生産者との交流・親睦により情報の共有
(2)地域による勉強会開催に対する支援
(3)県産(興産)豚肉消費拡大のためのイベントへの参加
ナイスポークが立ち上げた4つの部会について報告いたしました。生産者会員の皆さんには、関心のある部会へ参加され、経営改善に取り組みをお願いしたいと思います。また、これらの活動に対し、本日ご出席の皆さん他関係機関からのご指導、ご支援よろしくお願いを申上げ報告とさせて頂きます
情報交換会(懇親会) |
情報交換会は会場を移し、予定時間をより10分程度遅れて開会されました。
司会役は宝理雅人副会長が務め、開会に際し、青柳会長から挨拶、国会開会中のお忙しい中、駆けつけて頂いた(公社)千葉県畜産協会会長 森 英介衆議院議員から挨拶並びに乾杯のご発声をお願いし会が開かれました。
中 締 め |
中締めは15分程度早め、午後8時前に菅谷知男会長代理から挨拶をいたしました。
総会から情報交換会まで、長時間にわたり、お疲れ様でした。我々はもつと仲間を増やしたい。
賛助会員の皆さん、生産者に対し営業先で一言、声掛けをお願いいたしたい。
「ナイスポークに加入していますか・・・・・?」
もちろん生産者も努力しますが、我々は共に連携して、もっと・もっと仲間を増やし、業界の活性化を推進していきましょう。
それでは、養豚一本締めでのご唱和をお願いします。
「よーとん」 本日はありがとうございました。