一般社団法人日本養豚協会(JPPA) 2024年度通常総会開催される 

2024年6月27日(木)

東京港区東京プリンスホテルにおいて2024年度通常総会が開催された。千葉県からは生産者14名が出席しました。午後1時30分、総会開会に先立ちこの2月に急逝されたJPPA理事故櫻井 宣育氏(茨城県)に対し黙祷をささげました。

事務局から総会成立の報告があり、司会進行は佐竹 宣昭副会長が担当しました。塩澤英一会長代行から開会宣言、香川雅彦会長から挨拶。ご来賓として坂本哲志農林水産大臣、葉梨康弘自民党養豚農業振興議員連盟幹事長からご祝辞をいただきました。

開会宣言をする塩澤会長代行

JPPA香川雅彦会長から挨拶

農林水産大臣  坂本 哲志 衆議院議員

自由民主党養豚農業振興議員連盟幹事長 葉梨康弘衆議院議員

来賓としてご出席された壇上着席のご来賓をご紹介。

農林水産省大臣官房関村静雄審議官、(独)農畜産業振興機構天羽 隆理事長、(公社)中央畜産会近藤康二専務理事、(公社)日本食肉格付協会大野 高志会長、(一社)畜産環境整備機構 原田 英男副理事長、日本養豚事業協同組合松村昌雄理事長、(一社)日本養豚開業獣医師会 伊藤 貢代表代行理事、(一社)日本SPF協会 鷺谷 敏一会長、全国肉用牛事業協同組合佐々木信弘理事長、日本飼料工業会 庄司 英洋会長。

議案の審議

議案の審議については、議長に会員で宮城県の小田島新一氏を選出し下記議案を審議し原案通理承認さました。

議長に選出された 宮城県の小田島新一氏

第1号議案:2023年度事業報告及び収支決算報告に関する件

第2号議案:2024年度事業計画及び収支予算に関する件

第3号議案:2024年度会費の徴収に関する件

第4号議案:任期満了に伴う役員の選任に関する件

  2022年3月末   2023年3月末   2024年3月末
 母豚概数   (頭)  会員数    (人)  母豚概数 (頭)  会員数  母豚概数 (頭)  会員数
 432,514   1,394  424,701   1,313  425,680 1  ,275

❉任期満了に伴う役員の選任については、各ブロックから選出された役員候補者が総会において承認され、新役員の互選により下記の通り三役が決定いたしました。

区分 県名 氏名 区分 県名 氏名
会   長 全国ブロック 香川  雅彦 副 会 長 神奈川県 山口 昌興
会長代行 宮城県 石川  輝芳 副 会 長 鳥取県 竹延  哲治
筆頭副会長 愛知県 山本 孝徳 副 会 長 大分県 福田  実
副 会 長 北海道 中岡  勝 副 会 長 全国ブロック 岡部  康之
副 会 長 千葉県 菅谷 知男 副 会 長 学識経験 宝尺 実正

理事の互選で選出されたJPPA

右から香川会長、石川会長代行、山本筆頭副会長、中岡・菅谷・山口・竹延・福田・岡部・宝尺各副会長・鋤柄専務理事

右から香川会長、石川会長代行、山本筆頭副会長、中岡・菅谷各副会長

2023年度部会活動報告

❉生産・経営部会 :①2023養豚農業実態調査 ②優良事例調査 ③ベンチマーキングの普及と推進

❉経営安定チーム :①肉豚経営安定交付金(豚マルキン)についての協議 ②農水省(企画・飼料課)との意見交換

❉流通・消費部会 :①カナダポークとの意見交換会 ②東京食肉市場(株)との意見交換 ③と畜場の現状に関するアンケート調査           ④と畜に係る経費アンケート実施

❉ 青年部会 :①農林水産省との意見交換会 ②俺たちの豚肉を食ってくれ(JR有楽町駅前広場)③地方での若手意見交換会の開催 ④青年部セミナーの開催

❉育種・登録部会 :①登録実績生産者数 86農場 ②国産純粋種豚改良協議会 ③国産純粋・認定銘柄豚事業④遺伝子検査の推進

❉衛生・疾病対策部会 :①豚熱清浄化準備協議会始動 ②農水省へ殺処分数の削減方法「農場分割」へ意見提示③PRRSフォーラムへの協力 ④バイオセキュリティに関する知識の普及

衛生・疾病対策:菅谷智男部会長

❉アニマルウエル推進委員会 : ①アニマルウエルフェアの推進会議の開催 ②農研機構への調査協力

❉養豚白書2024」編集委員会 :①養豚産業の過去10年の成果 ②養豚をめぐる過去10年の動き③JPPAの10年間の活動の成果  ④韓国の養豚チェックオフ、日本でも推進

「養豚白書」改定に尽力:竹延哲治委員長

記 念 講 演  

『 新しい食料・農業・農村基本法と今後の農政』

(公社)中央畜産会    森山  裕  会長

農政の憲法である「食料・農業・農村振興法」の改正法が成立

基本法は、食料、農業及び農村に関する施策について、基本理念及び実現を図るための基本となる事項を定める法律であり、国が定める法令や国が実施する具体的な施策により基本法の基本理念の実現が図られる。

改正法により食料・農業・農村に新たに盛り込まれた施策については個別法冷等に基づき既に実施されてきたものも含まれているが、個別の対応だけではなく、今後の農政の方向性を示す基本法に具体的に規定された意義の大きいものである。

(公社)中央畜産会会長 森山 裕 衆議院議員

改正法案の内容

基本法の制定から4半世紀が経過する中で、世界的な食料需給の変動、地球温暖化の進行、我が国の人口の減少などの食料・農業・農村をめぐる情勢の変化が生じ、基本法制定時の前提が大きく変化してきました。こうした変化を踏まえて食料・農業・農村施策を講ずることができるよう、基本理念や関連する基本的施策を見直すこととしています。

(1)基本理念

まず、食料安全保障を基本理念の柱の一つとして位置付け、全体としての食料の確保(食料の安定供給)に加えて、国民一人一人がこれを入手できるようにすることを含むものへと再整理しています。 また、国内人口が減少する中にあっても、食料安全保障の観点から、国内の農業生産の増大を基本に、輸入・備蓄を行うという食料安定供給の基本的考え方は堅持することとし、その上で、食料安定供給を図る上での生産基盤等の重要性、国内供給に加えて輸出を通じた食料供給能力の維持、安定的な輸入・備蓄の確保といった新たな視点も追加しています。

また、食料の安定的な供給に向けては、農業生産の基盤や食品産業の事業基盤等が確保されていることが重要であるとし海外への輸出を図ることで、農業及び食品産業が発展し、これを通じて食料の供給能力の維持が図られなければならない旨を規定しています。

加えて、食料の合理的な価格の形成にあたっては、食料の生産から消費に至る各段階の関係者が有機的に連携して行う一連の活動を「食料システム」と定義しその関係者により食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないことを明確化しています。

環境と調和のとれた産業への転換に向けては、食料システムが環境に負荷を与えている側面にも着目し、多面的機能に加え、環境への負荷の低減が図られ、環境との調和が図られなければならない旨を規定しています。

農業の持続的な発展に関して、人口減少に伴う農業者の減少や、気候変動等、農業をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、今後のあるべき農業生産の姿として生産性の向上、付加価値の向上、環境負荷低減の3点を農業生産の目指すべき方向性として新たに規定しています。

農村の振興に関しては、人口の減少等、農村をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、地域社会が維持されるよう、農村の振興が図られなければならないとの視点を追加しています。

以上のように基本理念を再整理した上で、各分野について具体的な施策の方向性を定めています。このほか食料安全保障の確保等に向けて関係団体が果たす重要な役割も明確化しています。

また、食料安全保障の抜本的な強化を図るにあたり、食料安全保障上の様々な課題の性質に応じて評価を行う必要があることから、食料・農業・農村基本計画において、食料自給率に加え食料安全保障の確保に関する目標を設定することとしています。平時から食料安全保障の状況を定期的に評価することが重要との考えの下、毎年これらの進捗状況を公表すること等を通じて、PDCA サイクルを回す仕組みを導入するなどの見直しを行うこととしています。

(2)食料安全保障の確保

食料安全保障の確保に向けた施策の方向性として、以下のような内容を新たに規定しています。

① 国民一人一人の食料安全保障上の課題に対応する、円滑な食料の入手のための幹線物流やラストワンマイル等の確保

② 食品産業の持続的な発展に向けた、環境負荷低減、円滑な事業承継、先端的技術の活用、海外展開

③ 農産物、生産資材の安定的な輸入に向けた、官民連携による輸入相手国の多様化、輸入相手国への投資の促進

④ 輸出促進に向けた、輸出産地の育成、輸出品目団体の取組の促進、輸出相手国における販路拡大支援、知的財産の保護

⑤ 持続的な供給に要する合理的な費用を考慮した価格形成に向けた、関係者による理解の増進、合理的な費用の明確化の促進

⑥ 不測の事態が発生するおそれがある段階から、食料安全保障の確保に向けた措置の実施

(3)農業の持続的な発展

農業の持続的な発展に向けた施策の方向性として、以下のような内容を新たに規定しています。

① 効率的かつ安定的な農業経営を営む者(担い手)の育成・確保を引き続き図りつつ、農地の確保に向けて担い手とともに地域の農業生産活動を行う、担い手以外の多様な農業者を位置付け

② 家族経営に加えて、農業法人の経営基盤の強化に向けた、経営者の経営管理能力向上、労働環境の整備、自己資本の充実

③ 農地集積に加えて、農地の集約化・農地の適切かつ効率的な利用

④ 防災・減災、スマート農業、水田の畑地化も視野に入れた農業生産基盤の整備、老朽化への対応に向けた保全

⑤ スマート農業技術等を活用した生産・加工・流通の方式の導入促進や新品種の開発などによる「生産性の向上」

⑥ 6次産業化、高品質の品種の導入、知的財産の保護・活用などによる「付加価値の向上」

⑦ 環境負荷低減に資する生産方式の導入などによる「環境負荷低減」を位置付け

⑧ 人口減少下において経営体を支える「サービス事業体」の活動の促進

⑨ 国・独立行政法人・都道府県等、大学、民間による産学官の連携強化、民間による研究開発等

⑩ 家畜伝染病・病害虫の発生予防・まん延防止の対応

⑪ 生産資材の安定確保に向けた良質な国内資源の有効活用、輸入の確保や、生産資材の価格高騰に対する農業経営への影響緩和の対応

(4)農村の振興

農村の振興に向けた施策の方向性として、以下のような内容を新たに規定しています。

① 農地等の保全に資する共同活動の促進(多面的機能支払)

② 農村との関わりを持つ者(農村関係人口)の増加に資する、地域資源を活用した事業活動の促進

③ 中山間地域の振興に資する農村RMOの活動促進

④ 農福連携、鳥獣害対策

⑤ 農泊の推進や二地域居住の環境整備

 

以上の内容をとりまとめた基本法改正法案については、基本法の改正内容を実現するために必要な法案として、① 不測の事態が発生する前の段階から、食料の確保に向けた対策を講ずるための新たな法的枠組みを創設する「食料供給困難事態対策法案」② 農用地区域の変更に係る国の関与の強化や、食品事業者と連携する場合の農地所有適格法人の資金調達の円滑化等により、農地の総力確保と適正・有効利用を図る農地法制の見直し(農業振興地域の整備に関する法律等の改正)

③ スマート農業を振興するための新たな法的枠組みを創設する「農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案」

④ 食品原材料の調達安定化を促進するために新たな金融・税制措置の整備等を行う「特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案」の、合計4本の法律案を提出しております。

懇親会(情報交換会)

総会・部会活動報告及び記念講演が終了し、懇親会は会場を移し17:40からが開催されまた。司会は山本 孝徳新筆頭副会長があたり、再任された香川会長から御礼の挨拶を述べられ、来賓として出席の自民党養豚農業議連森山裕会長、乾杯のご発声は坂本農水大臣にお願いしました。

自由民主党養豚農業振興議員連盟会長:森山 裕 衆議院議員

坂本農林水産大臣から乾杯のご発声

宮越前自民党養豚農業振興議連会長を囲んで千葉県生産者の皆さん

森英介衆議院議員・鈴木財務大臣を囲んで

森山会長を囲んで

香川JPPA会長と千葉県選出の松本尚衆議院議員

千葉県選出松本衆議院議員・猪口参議院議員を囲んで