成田国際空港防疫キャンペーン・・・夏休み帰郷・旅行者の出国に対し帰国時の肉製品持ち込み阻止
2024.7.30(火
例年、夏休みの期間中は、海外との旅客の往来が活発となり、口蹄疫、アフリカ豚熱等の発生国からの帰国者も増大することが想定されます。 今回、農水省動物検疫所成田支所の要請を受け、国内への家畜の悪性伝染病の侵入防止を目的に広報キャンペーンに参加いたしました。今回千葉県として県畜産課2名、(公社)県畜産協会2名、JPPAから1名、ナイスポークから11名(生産者10名・事務局)の総勢16名と着ぐるみ(ちーとん君)が参加いたしました。防疫キャンペーン実施に際し、用意された会議室で、ユニホームに着替え、農林水産省動物検疫所成田支所 根城 博一次長から動物検疫所の概要について説明を受けました。
動物検疫所の広報
動物検疫所は我が国の畜産を守るため、国際線が離発着する空海港を主な業務拠点として、日々動物検疫業務を行っています。動物検疫所では、国民の皆様に我が国の動物検疫について≪まず、知っていただく、そして身近な問題として感じていただく≫こと、また自治体や畜産関係団体の皆様にはより一層ご理解、ご協力いただけるよう、様々な機会やツールを利用し情報発信を行っています。私たち動物検疫所は、情報発信した内容について皆様からいただいたご助言を真摯に受け止め、より効果的な動物検疫行政を常に考えてまいります。
我が国における家畜防疫態勢
- 国は、都道府県、動物衛生研究部門等と連携し、国内の家畜防疫に関する企画、調整、指導等を実施するとともに、動物検疫所を設置し、国際機関とも連携して輸出入検疫を実施。
- 都道府県は、家畜防疫の第一線の機関として家畜保健衛生所を設置し、防疫対策を実施。国は、家畜保健衛生所の整備支援、職員の講習等を実施。
- また、全国及び地方の各段階で家畜畜産物衛生指導協会等の自衛防疫団体が組織され、予防接種等生産者の自主的な取り組みを推進。
海外からの伝染性疾病の侵入を防止し、畜産業の振興と公衆衛生の向上を図っています。
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- 家畜伝染病予防法に基づく輸出入動物、その他の物の検査、その他の措置
- 輸出入動物に対する狂犬病予防法に基づく検査
- 「感染症法」の規定による輸入動物の検査、これに基づく措置
- 輸出入動物の健康検査
- 動物用生物学的製剤及び予防器具の保管、配付、譲与及び貸付か「委託」を受けて動物その他の物に対する検査又は消毒を行うこと。
- 動物検疫業務にかかる主な法律(1/4のみ記載)
家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)
目 的 | 家畜の伝染性疾病)(寄生虫を含む)の発生を予防し、及びまん延防止することにより、畜産の振興を図る |
主な検疫対象物 | ● 偶蹄類の動物 ●馬 ● 家きんとその卵
● うさぎ、蜜蜂 ●犬 ●これらの骨、肉、皮、毛等 ● ソーセージ、ハム、ベーコン、 ● 穀物のわら及び飼料用の乾草 |
検疫対象疾病 | 監視伝染病の限定
家畜伝染病 ★(28種) ●アフリカ豚熱 ●口蹄疫 ●豚熱 ●高病原鳥インフルエンザ 届出伝染病 ★★(71種) ●サルモネラ感染症 ●破傷風 |
★ 家畜伝染病:その病性、発生状況、予防・治療の有無、畜産上席等を勘案し、発生によるまん延を防止するため、殺処分等の強力な措置を講じる必要があるもの。
★★ 届出伝染病:家畜伝染病のように殺処分等の強力な措置を講ずる必要がないものの、家畜伝染病と類症鑑別上問題となりやすいもの及び行政機関が早期に疾病の発生を把握し、その被害を防止することが必要な家畜伝染病に準ずるもの |
2.空港内検疫施設と水際現場見学 |
キャンペーン終了後、休憩ののち空港内の検疫施設(入国手荷物・探知犬による検査、入国の際の靴底消毒施設など)見学しました。
3.意見交換会 |
空港内見学を終え、農林水産省動物検疫所の担当官との意見交換を実施しました。
最初に動物検疫所町田所長から依頼いついての話があった。
2018年にASFがアジアに侵入して以来、水際検疫を強化しているが、携帯品の検査が長期に渡り続いている状態で、コロナ明けということもあり検査件数も増えている。成田空港の検査数は他港を寄せ付けないほどであり、探知犬の検査数はダントツである。そのような中で職員に疲労感が出ている。そこで、生産者の方々に、水際まで出てきて、検疫担当職員の応援(講義)をしていだだいている。今後も協力願い賛同いただけるのであれば、調整していきたい。全国の動物検疫所へ配信、録画で視聴、人数は限られるが対面などで水際対策を強化していきたい。
ナイスポーク青柳会長から、成田空港は海外からの旅客を受け入れる日本の空の玄関であり配信ことは大事。ナイスポークは活動の一環として協力していきたい。また、菅谷会長代理から、日頃から動検職員の皆様には感謝している。感謝の言葉を職員の皆様に伝えていただきたい。ナイスポーク会員である生産者が作った美味しい豚肉を食べながら意見交換ができればよいと思うとの要望。
動物検疫所:飲食を伴う場合については会計等きっちりしないといけない。何のために水際検疫をしているのかを検疫所職員に理解をしてもらうことで水際対策のを図りたい。そのため、生産者、関係者が参加しての防疫キャンペーンは大切。
ナイスポーク:郵便物に対しては動検でどこまで検査出来ているのか、できないのかを知りたい。
動物検疫所:郵便物については100%見れるかというとそうではなく、危険なものと思われる物を確認し検査をしている。
ナイスポーク:オーストラリアではすべての入国者の手荷物を開けているが、日本ではそれがまだできていない。限られた人数で効率 的に検査を行うことを内部からでは言いにくいと思うので、外からも言っていきたいと思う。
ナイスポーク: 横浜のレンダリング装置を千葉にも置けないか
動物検疫所: 横浜も無理々作った。まず費用がかかるのでどこにでも置けるわけではない。装置の購入までは早かったが、使用に
至るまでにいろいろあった。使う前にまず細かいシミュレーションをしておかないと無駄になってしまう。
意見交換を終え、参加者全員での記念撮影
生産者として水際対策をお願いしている農水省担当検疫官に感謝することは当然ながら、生産者もこの状況をしっかり受け止
め、ASF侵入を阻止する水際対策強化のため今後も協力していきたい。