関東養豚協議会による武部農水副大臣へ 「豚熱に関する緊急要請」
2022.3.28
関東養豚協議会(幹事県:山梨県)代表者13名は、農林水産武部 新副大臣に面会し、協議会が昨年12月に「豚熱に関する緊急対策項目」として決議した要請書を提出し,養豚生産者の声を直接伝える良き機会を作ることが出来ました。
3月26日(土)77例目となる豚熱が栃木県で確認されたこともあり、繰り返されるワクチン接種農場での発生に、より生産者の危機感が募る状況での要請となりました。
最初に、幹事県である山梨県養豚協会会長が都合で欠席されたため、代わりに千葉県(ナイスポークチバ推進協議会)の青柳会長から要請書を武部副大臣に提出し、記念撮影後要請内容について説明をいたしました。
副大臣への要請内容の説明に際し、現場の状況を踏まえた生産者の切実な説明が続きました。
武部 新 農水副大臣
要請内容の説明と意見交換に入る生産者代表
要請内容:①のワクチン接種・方法の対応については、ワクチン接種農場での発生被害が最も多く確認されている群馬県養豚協会岡部顧問から豚熱ワクチンのより効果を高めるための接種(2回、複数回)については、野生イノシシによる危険度の高い地域において柔軟な対応を求めるよう説明。
ワクチン接種体制について、地域性を考慮した柔軟な対応を求める群馬県岡部顧問
また、最も大切なことは、ワクチン接種農場から豚熱を発生させないことが大切です。免疫のすきまを極力取り除くために毎週ワクチン接種によりワクチンブレイクを起こさせない等状況によっては生産者自らワクチンの接種ができる体制を求めた。
同席された林 幹雄 衆議院議員
②野生イノシシ対策では、野生イノシシ対策に力を入れている茨城県桜井副会長から茨城の現状を踏まえ、駆除・経口ワクチンの散布、国産ワクチンの開発など、十分なる予算を確保することを求めた。
③ 殺処分に伴う処分対応については、神奈川県山口理事長から実際に神奈川県でレンダリング装置による処分をした事を踏まえ、埋却地の確保が難しい場合には移動式レンダリング装置を積極的に活用できるよう求めた。
神奈川県山口理事長から移動式レンダリング装置を積極的に活用できるよう求めた
関連して、千葉県の菅谷会長代理から豚熱に関連することとして意見を述べた。野生イノシシ対策については管轄する環境省と農水省では対応に大きな開きがあり、生産者として対策に困っている。また、養豚経営には大きな資金を伴う中で、ワクチン接種農場でも豚熱が発生すれば全頭殺処分される。経営再会するに際し、またも埋却地の確保が求められている。生産者として理解できない。是非検討をお願いしたい旨発言。
菅谷会長代理(千葉県)から対応をお願いする
千葉県青柳会長から配合飼料価格の高騰に対する国の対策について早急に対策をお願いした。
また、侵入危機にある、アフリカ豚熱の水際対策の強化を引き続き強く求めた。
最後に、松村顧問(埼玉県)、志澤顧問(神奈川県)両参加者から、豚熱対策に加え、現状の配合飼料価格の高騰について、原料となるトウモロコシ・大豆かす相場や海上運賃の上昇、円安など多くの要因が重なり、原料作物の不作や需要増に加えロシアによるウクライナ侵攻も影響している。畜産経営に係る諸経費高騰部分が、畜産物の販売価格では吸収できない大変厳しい状況となっており、この状態が長期に及ぶのではと生産者は懸念を抱いています。
要請内容を総括して意見を述べる志澤顧問(神奈川県)
配合飼料高騰対策については、生産者の負担が増えない対策を要望しました。
これに対して副大臣からは「養豚生産者の皆さん状況はよくわかりました。引き続き皆さんのご意見を聞きながら何ができるか検討していきたいとの発言がありました。」
関東養豚協議会を代表して千葉県組織青柳耕一会長から武部副大臣に要請書が渡されました。