令和5年度通常総会盛大に開催

新型コロナ感染症がこの4月から5類に位置づけられたこともあり、昨年に続き、対面形式での総会に加え4年ぶりに懇親会(情報交換会)を併設し、参加者数120名程度の規模で計画の令和5年度通常総会は、6月7日(水)千葉市内オークラ千葉ホテルにおいてが午後3時から開催されました。開催に際し、事務局から総会成立の条件である会員の過半数に達している旨報告(会員数:138名、出席会員41名、委任状提出86名で合計127名)。当日の参加者は124名(来賓27、賛助会員51、生産者41、事務局5)

会長挨拶

林 浩之副会長の司会進行により、北田 好克副会長から開会の言葉、青柳 耕一会長から「養豚を取り巻く情勢は、飼料・資材・光熱費など予想を超える価格の高騰により、経営は非常に苦しい状況に置かれています。豚熱対策は終息にはほど遠く、加えてアフリカ豚熱侵入脅威から飼養衛生管理基準がより厳しく改正され、生産者のバイオセキュリティ強化が一層重要となってまいりました。

加えて、PED・PRRS・豚熱といった疾病問題、アニマルウエルフェアー、臭気や硝酸態窒素の排出基準を含めた環境対策など、間違いなく対応を迫られる状況でもあります。さて、我々生産者は、この難局を乗り越え、消費者から求められる品質の高い豚肉を、安定的に生産し提供できるかを、常に考えていかなければなりません。今すべきその対策の一つが経営基盤の強化であり、的確な情報収集による飼料要求率の改善、優秀な種豚の確保、衛生対策から事故率軽減など、自ら経営内容を見直す努力と工夫により、課題を乗り越え、生産コスト削減と経営安定に取り組んでまいります。

本年も地元国会議員・県議会議員・県及び関係団体、関連業界からのご指導・ご支援を頂きながら消費者が求める安心・安全・美味しい豚肉生産のため活動してまいります」と挨拶。

来賓あいさつ

ご来賓として、(公社)千葉県畜産協会会長・森 英介衆議院議員、初代少子化大臣猪口邦子参議院議員、国土交通副大臣・豊田敏郎参議院議員、自由民主党県議会議員会畜産振興議員連盟 實川 隆会長、県農林水産部 前田敏也部長、(一社)日本養豚協会(JPPA)櫻井 保専務理事、日本政策金融公庫井上周一郎千葉支店長の皆様からご祝辞を頂きました。

森英介衆議院議員

公社)千葉県畜産協会会長 森 英介衆議院議員からの祝辞で「常日頃よりナイスポークチバ推進協議会の皆様には、畜産協会事業に対し多大なるご理解、ご支援、ご協力を願い厚く御礼を申上げます。最近の養豚情勢は飼料価格など生産資材の高騰、豚熱ワクチンの接種や飼養衛生管理基準の強化など経営環境は大変厳しいものとなっています。協議会は発足以来、国への要請活動、県産豚肉の消費拡大、後継者育成など、養豚の経営のため積極的な活動を展開されております。また、情報発信、県民消費者との交流を通じ、養豚への理解醸成にも尽力されており、深く敬意を表するものです。特に豚熱ワクチンの接種体制や飼料価格高騰の問題については、その活動から大きな成果を上げており、今後も皆様の活動を背景に、私も農政への働きかけをしてまいります」とご挨拶をいただきました。

豊田俊郎国土交通副大臣

初代少子化大臣  猪口邦子 参議院議員

(一社)日本養豚協会櫻井保専務理事

その他のご来賓として、県畜産総合研究センター:島田 純センター長、県中央家畜保健衛生所 小川 明宏所長、全農千葉県本部畜産部:都築 延吉部長、NPO法人いきいき畜産ちばサポートセンター:松田延儀理事長をご紹介し、ここで公務のため国会議員の先生方の退出後、自民党県議会議員会畜産振興議員連盟:阿井伸也副会長、信田光保幹事長、石橋清孝幹事、高橋秀典幹事、県農林水産部:大澤浩司畜産課長、山﨑 直企画経営室長、同関谷圭美副主査、担い手支援課:板倉孝一課長、流通販売課:砂盛恵理子販売・輸出促進室室長、東部家畜保健衛生所:藤野晴彦所長、北部家畜保健衛生所:江森 格所長、(公社)千葉県畜産協会:岡田望専務理事、日本政策金融公庫千葉支店:融資第一課種田充裕課長、NPO法人いきいき畜産ちばサポートセンター:宮島成郎副理事長、を紹介いたしました。

議案の審議

会則により、青柳会長を議長に選出、議事録署名人に旭市:岩岡篤史・東庄町:高安恵子両名を指名し議案の審議に入り予定された下記全議案が承認されました。

第1号議案:令和4年度事業実績並びに収支決算報告に関する件

第2号議案:令和5年度事業計画並びに収支予讃(案)に関する件

第3号議案:会費賦課・徴収時期及び方法に関する件

第4号議案の任期満了に伴う役員改選に関する件

≪理事の互選により新たに就任された三役≫

職 名 氏 名 備  考
会 長 青柳  耕一 香取市 留任
会長代理 菅谷  知男 旭 市 留任
副会長 北見  則弘 市原市 留任
  〃 林   浩之 香取市 留任
  〃 北田  好克 山武市 留任
  〃 熱田   力 匝瑳市 新任
 〃 柴田  行雄 旭 市 新任
  〃 宝理  雅人 東庄町 新任
記念講演の開催

『自農場の経営にベンチマーキングを活用』

(有)サミットベテリナリーサービス

獣医師 数野  由布子 先生

昨今の飼料高騰のなかで、効率的に豚を育てて出荷することが重要であることは皆さんも感じていることと思います。講演の内容は、①ベンチマーキングとは ②ベンチマーキングの効果―1(業界全体の動きがわかる)③ベンチマーキングの効果―2(自農場の改善に役立つ)についてお話をされた。

ベンチマーキングとは

製品、サービス、プロセス、慣行を継続的に測定し、パフォーマンスの良い競合他社や

その他の優良企業のパフォーマンスと比較すること。成績向上のため現場からデーター

を得て、成績を継続的に測定・比較すること。

養豚場におけるベンチマーキングの効果として、①成績項目の推移②年間1母豚あたりの祖利益への影響度③多産系種豚とその他種豚の成績比較④農場飼料要求率の重要性についての4項目をあげ、これにより自農場の経営改善に役立つと解説された。

※年間一母豚あたりの粗利益への影響度として次の6項目をあげた。①1㎏あたりの飼料価格 ② 農場飼料要求率(FCR) ③ 1㎏あたりの枝肉単価④ 年間1母豚当たりの離乳頭数 ⑤ 肉豚平均枝肉重量 ⑥ 離乳後事故率

4.ベンチマーキングに取り組む農場からのコメント

☆ 自分の立ち位置がわかり、何に改善が必要なのか分かった

☆ 社員で成績を共有することで、ここまで来ることができた

☆ 参加するまで気が付かなかったことに気が付いた

☆ 他の農場の成績と比較することで、種豚の切り替え、豚舎建て替えの判断に踏み切れた

5.自分自身と、全体の動向を知る

☆ 自農場の現状を把握することができる

☆ 農場内の変化を、数字で客観的に評価できるようになる

☆ 同業者全体の変化の傾向を知る情報源になる

☆ 次にチャレンジするべき部分・目指す方向性を見つける手掛かりとなる

☆ 現場スタッフにとってもやりがいにつながる

 

1.ベンチマーキングを活用する

☆ 自農場の成績を正確に把握し、推移を知る

☆ 変更事項に対して、客観的な【数値】で評価する

☆ 「改善したい」項目に着目する

☆ 部署ごと、担当者ごとに目標を持つ

☆ 将来、農場をどのように展開していくかのヒントを得る

2.一番成績を下げている要因は・・・どう改善するのか

成績を下げている要因は様々・・・なにを改善すればどれだけ利益が出るのか? 離乳以降の事故率・離乳頭数・受胎率・・・それ以外病気・生産システム・遺伝能力・・・

具体的な数値を改善してみよう !!

3.生産記録と目標値・・・着目すれば改善できるが、着目しなければ改善できない

目標値の設定・修正・・・生産阻害原因の究明し改善対策の実行

終わりにベンチマーキングにぜひ参加して、自農場の経営向上に生かしましょうと講演された。

総会終了後新旧役員による記念撮影

懇親会(情報交換会)

午後6時から「エリーゼ」に会場を移して懇親会(情報交換会)が4年ぶりに開催された。 司会は前小長谷副会長から開会の挨拶後、青柳会長から提出議案承認の御礼挨拶。乾杯の発声は、自由民主党県議会議員会畜産振興議員連盟・高橋秀典幹事にお願いいたしました。

懇親会には102名(生産者会員39名、賛助会員50名、関係者17名)の方々のご参加を頂き、生産者との情報交換が活発に行われました。講演されたベンチマーキングの内容に関し数野先生との意見のやり取りもあり有意義な交流ができたものと思われます。

また、生産資材の高止まりにより先が見通せない状況の中、生産者にとって資金繰りの問題は重要な課題でもあります。日本政策金融公庫から支店長を含め5名が参加をいただき、生産者にとっては、大変心強い交流であったと思います。

銘柄豚「房総ポーク」のとんかつ

堀江ファームのウインナー提供

令和5年度の事業活動に掲げた疾病対策、生産性向上のための取組としてベンチマーキングの活用など前向きに取り組んでいかなければならない。地域役員の活発な取り組みを大いに期待したい。

   中 締 め

午後8時となり、まだまだ話が尽きない状況ではありましたが、菅谷会長代理から中締め。中締めの挨拶では「本日の総会において令和4年度事業報告・実績を報告させていただきました。ナイスポークとしての活動を評価いただき、まだ地域で会員に参加されていない生産者に対し一人でも多くの方が参加されるよう皆で声掛けをしようではありませんか」と挨拶。会場から賛同の拍手をいただき、養豚一本締め「ヨートン」でお開きとなりました。

NPCへ生産者参加推進を呼びかける