自民党県議会議員会畜産振興議連との情報の共有

旭市養豚推進協議会では、兼ねてより地元高橋秀典県議会議員との情報共有の中で、疾病問題として特に万が一豚熱の発生により、さっ処分及び埋却処置が必要となった場合を想定し、特に近隣周辺を含め全国的にも超密集地域だけに危機感を持っていた。

6月28日(水)まずは、生産者の疾病問題に対する取り組み状況を県議会畜産振興議連の先生方に知っていただくことが大切であるとの結論から、県域生産者組織であるナイスポーク協議会が窓口となり、6月県議会の忙しい時間ながら意見交換の場を作っていただきました。4月の統一地方選挙により、自民党畜産議連の参加メンバーは34名となり、県議会自民党河上 茂前幹事長が顧問に就き三役は次の通りとの公表がありました。

役 職 氏  名 選挙区 役 職 氏  名 選挙区
顧 問 河上  茂 松戸市 幹 事 石橋 清孝 東金市
会 長 實川  隆 山武市・山武郡  〃 川名 康介 鴨川市・南房総市・

安房郡

副会長 阿井 信也 大網白里市
 〃 山本 義一 八街市  〃 高橋 祐子 富里市
幹事長 信田 光保 銚子市・東庄町  〃 高橋 秀典 旭 市

今回の会議は、県議会棟3階第2応接室において、自民党畜産振興議連の先生方に養豚の現場を知っていただくと言う形で開催された。議題は「生産現場の現状と課題「豚熱(CSF)」と題し、議連信田幹事長の司会進行により開会。開会に際し畜産議連實川会長及びナイスポーク青柳会長からそれぞれ本日の会議開催について挨拶があり、挨拶の後、ナイスポーク菅谷会長代理から、プロジェクター映像により配布資料を説明いたしました。

自民党県議会畜産議連實川会長

ナイスポーク青柳会長

今回県庁畜産課から菊池里佳副課長、江森美香家畜衛生対策室長がオブザーバーとして出席をいただきました。

情報提供のテーマは「千葉県の養豚産業と悪性伝染病への備えについて」と題し現状について、映像を活用し菅谷会長代理から説明しました。その内容は次の通りです。

  • 千葉県は九州に迫る養豚産地
  • 豚の病気
  • 豚熱(CSF)の発生の脅威に対する対策
  • 養豚農家のCSFに対する不安
  • もしCSFが発生したら・・・養豚農家の不安と対策
  • 埋却だけでなく焼却の選択・可能に
  • 焼却処分のハードルは高い
  • 豚熱以外の悪性伝染病の発生・・・アフリカ豚熱(ASF)
報告の要点―1:国内最大の脅威CSFに対する対策

① 病気を入れない      飼養衛生管理基準の徹底

② 発症防御         ワクチン接種

                              実施中    

未知

③ 発生したらまん延防止      直ちに全頭察処分

死体の迅速な処理(焼却又は埋却)

参加を頂いた自民党畜産振興議連の先生方

報告の要点―2:養豚農家の不安

① 「千葉で豚熱が発生した場合、広がらずに済むのだろうか 」

【 危険な要素 】

・農場の距離が近い、とにかく農場数が多い。

・大規模農場も多い。

・密集地帯の中央に大型と畜場があり、出荷豚や車両の往来が頻繁。

・堆肥を使う耕種農業も盛んで、日常的に堆肥の散布がある。

(堆肥=糞尿に由来  糞尿にはウイルスが排出される)

・平地で風が強く、空気の撹拌が起きやすい。

・海抜が低く、地面を掘るとすぐ水が出てしまう。殺処分死体の埋却をした場合、地下水が汚染されて病気を広げてしまうのではないか。

・複数での発生も十分あり得るが、対応できるのか。

② 「もし自農場で豚熱が発生したら、再開できるのだろうか? 

菅谷会長代理

【 危険な要素 】

・埋却地トラブルにより近隣住民および耕作者に多大な迷惑を長期間与えてしまう。農場再開は受け入れられないのではないか。

・再開するには新たな埋却地が必要(埋却後3年は掘り起し禁止のため)になるが、埋却目的の土地の購入は事実上不可能になるのではないか。

【 埋却地トラブルとは 】

・大量の家畜の死体を埋却後、腐敗した液体がしみ出し付近の河川や農業用水を汚染。

ハエの大量発生が長期間継続(報道されている実例・・・鹿児島県出水市他)

   対  策

【農家が出来る取組】

① 病気を入れない衛生管理の徹底 ② ワクチンの適正使用 ③ 早期発見、早期通報 ④ 有事の際の迅速かつ安全な殺処分及び死体の処理

・要望・・・ 埋却だけではなく、焼却処分の選択を可能にして欲しい。

   焼却に向けてのハードルは・・・
  • 焼却処分のためには前段階としてレンダリング処理が必要となる。
  • 国内には4基の移動式レンダリング装置が整備されており、知事判断で使用することができる。
  • しかし、これまでの豚熱発生事例(86例)では、84例が埋却、2例が焼却処分されており、焼却はほとんど実施されていない。その理由は

① 時間と人員と物資=コストが埋却よりかかるとのこと

② レンダリング装置設置場所の問題

③ レンダリング装置稼働中の臭い、騒音の問題

④ 焼却施設の問題

   ハードルを乗り越えるためには

① 時間と人員と物資=コストが埋却よりかかるとのこと

何にどのくらいコストがかかるのか予め明らかにしておくことで、無駄を減らすことが出来るのではないか。

② レンダリング装置設置場所の問題

養豚農家自身が設置場所の確保に取り組んでいる。

③ レンダリング装置稼働中の臭い、騒音の問題

殺処分を行っている期間限定の問題であり、埋却と比較して周囲への影響は最小限であることを理解してもらう。

④ 焼却施設の問題

自治体の焼却施設とコミュニケーションを取り協力を得る。民間焼却施設も活用する。

≪欧州では、堆肥やバイオマスなどにリサイクルされており、

最終的にはこのような処理方法が理想的≫

開会前に全員による記念撮影

このように、今後も情報交換の場を要望し、生産現場の状況を知って頂き、政策への反映をお願いしていきたいと思います。