2023年夏休みに伴う 成田空港防疫キャンペーン実施
今回のキャンペーンは、海外から家畜の悪性伝染病の日本への侵入を防止・警戒するために旅客に対して動物検疫制度の周知を行うものであり、この夏休みの期間中は、海外との旅客の往来が活発となり、口蹄疫、アフリカ豚熱等の発生国からの帰国者も増大することを想定し開催されました。
令和5年8月4日(金)農林水産省動物検疫所成田支所の要請を受け、国内への家畜の悪性伝染病侵入防止を目的に、ナイスポークチバ推進協議会から9名、JPPAと県畜産課から各1名の計11名とナイスポークキャラクター「ちーとん君」が参加いたしました。
会場は成田空港第1ターミナルに12時30分に集合し、準備を整え13時30分から4階の旅客ターミナル出国ロビーにおいて、農水省が用意したテッシュに入った注意を促すチラシとJPPAから依頼された「アフリカ豚熱を絶対入れない」の2つのチラシを配り注意喚起を求めるキャンペーンを行った。
1.国際空海港における旅客に対する水際対策 |
❖ 消毒マットによる旅行者の靴底消毒
❖ 動植物検疫に関する注意喚起(税関申告・構内アナウンス等)
❖ 自主廃棄用BOX
❖ 入国者への口頭質問の実施(肉などの畜産物を持っているか。海外で家畜に触れたか、国内で畜産関連施設に立ち入るか
❖ 動植物検疫探知犬の活用
❖ 手荷物として持ち込まれる畜産物等の検査
2.動物検疫所の配置(人) |
1998年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
262 | 460 | 481 | 491 | 508 | 526 |
3.アフリカ豚熱(ASF)対策の強化 |
- 相手国から持ってこさせない。
❖ 中国・ベトナム・韓国内のSNS、現地メディア、旅行代理店等を通じた注意喚起
❖ 多言語動画の配信
動物検疫に関する動画をYouTubeで配信
(日本語、英語、中国語、ベトナム語、タガログ語、韓国語)
❖ 空港会社等への情報提供、ポスター掲示、機内アナウンスの依頼
日本向け直行便で機内アナウンスを実施
(中国便・韓国便は全便数のうち約9割)
一部空港会社においては、現地の空港カウンターでポスターを掲示。宅配会社にポスターやリフレットを送付するとともに各社HPへの掲載を依頼
- 日本に入れさせない
❖ 動植物探知犬の増頭
追加措置し、140頭体制に強化(2021年3月末時点)
❖ 畜産物の違法な持ち込みに対する対応の厳格化(2019年4月22日~)
個人消費用やお土産用であっても、警察への通報又は告発の対象として警告書を交付
(2019年4月22日~2022年12月3日の間に約2,500枚を交付)
違反情報をデーターベース化し、関係省庁と連携して対応(逮捕事例あり)
❖ 高リスク便に対する携帯品検査の重点実施
検疫探知犬による探知や家畜防疫官による口頭質問を重点的に実施
税関と連携した検査を実施
❖ アフリカ豚熱発生国からの豚由来畜産物の検査強化
2023年2月17日現在、携帯品畜産物(生に近くリスクの高い物)をPCR検査
109件からアフリカ豚熱ウイルス遺伝子を検出(うち4件からウイルスを分離)
❖ 国際郵便物の検査強化 検疫探知犬の活用を拡大
❖ 各空海港における靴底消毒及び車両消毒の徹底
❖ 船舶・航空機の食品残渣の適切な処理について、事業者への確認・指導を継続的に実施
5.携帯品で持ち込まれた輸入禁止品等の摘発状況 |
- 摘発件数及び数量
年 | 件数(件) | 数量(㎏) |
2018年 | 93,897 | 109,056 |
2019年 | 109,928 | 69,124 |
2020年 | 29,099 | 16,888 |
2021年 | 18,726 | 13,010 |
2022年 | 54,429 | 35,729 |
- 摘発上位国・地域状況
年 | 2021 | 2022 | ||||
順位 | 国・地域 | 件数(件) | 重量(㎏) | 国・地域 | 件数(件) | 重量(㎏) |
1 | 中 国 | 3,970 | 2,601 | ベトナム | 8,121 | 7,869 |
2 | アメリカ | 2,164 | 751 | フィリピン | 7,411 | 5,184 |
3 | 韓 国 | 1,860 | 2,043 | 韓 国 | 4,907 | 3,297 |
4 | フィリピン | 1,665 | 982 | 中 国 | 4,217 | 2,690 |
5 | ベトナム | 792 | 706 | タ イ | 4,059 | 1,787 |
6 | タ イ | 667 | 416 | アメリカ | 3,802 | 1,346 |
- 違反者(警告書発出対象者)の属性
在日・在留 | 48.5 % |
親族・友人訪問 | 18.2 % |
仕 事 | 8.2 % |
留 学 | 5.9 % |
観 光 | 5.4 % |
技能実習 | 5.3 % |
コロナの影響から解放され、海外から多くの観光客が訪れる状況となり、アフリカ豚熱、口蹄疫と日本にない疾病(ウイルス)が、肉製品、靴底など何らかの形で日本に持ち込まれる危険性が高まっている。生産者にとって水際対策は大変重要な国の対策である。
生産者は日頃から最悪の事態に備え、農場における衛生対策を強化しています。
終わりに青柳会長から日頃の水際対策と本日の対応の御礼、生産者組織として出来ることは協力していきたい旨挨拶を申し上げキャンペーンを終了した。
日本人旅行者も知らずに、肉製品を持ち込んでしまうケースもあるようですので注意をしたいものです。