令和6年度畜産講習会・臭気問題の対策で開催

2024.9.26

(公社)千葉県畜産協会は例年養豚生産者にとってその時々の最も関心の高いテーマにより、県畜産綜合研究成果発表会(養豚)と併設開催してまいりましたが、鳥インフルの発生の時期等の影響もあり、単独での開催を模索していましたところ旭市において環境対策(臭気問題)をメインテーマに講習会開催するとの情報から、協議により合同で開催することを決定いたしました。

昨年ナイスポークチバ推進協議会が立ち上げた環境部会での取り組みから養豚密集地域で環境問題対応が求められている旭市でもあることからタイミング良い開催となった。

また、環境問題は畜産全体に関連することから、畜産講習会として開催し県内(県関係機関・関係団体・関連市町村・生産者他)広く参加を呼びかけました。

会場となった旭市・東総文化会館

午後1時30分に開会し、主催者として(公社)千葉県畜産協会副会長・地元旭市米本弥一郎市長、来賓として千葉県畜産総合研究センター 島田 純センター長からそれぞれ挨拶をいただきました。

講演―1『 法改正に見る我が国畜産の進むべき道』

農林水産省関東農政局生産部畜産課  課長 川本  博康 先生により食料・農業・農村基本法の一部改正する法律の概要について説明をいただきました

農水省関東農政局 川本 課長

 講演―2『畜舎排水における硝酸性窒素等の管理手法について」

千葉県畜産総合研究センター企画環境研究室 長谷川 輝明 先生により畜産における汚水処理の概要の中の硝酸性窒素等の除去についてお話を頂きました。

畜総研環境研究室  長谷川先生

講演―3『畜産経営における悪臭対策と苦情対応』

  畜産環境アドバイザー 本多 勝男 先生から下記内容で講演。

  • 畜産経営における悪臭対策
  • 悪臭防止法の特異性
  • 悪臭の正体と発生源
  • 悪臭対策の基本と実際の対策
  • 悪臭関連苦情と法律
  • 本多勝男畜産環境アドバイザー

    悪臭対策の到達目標として、具体的な到達目標が定まらなければ対策の立てようがありません。畜産経営が実施可能な悪臭対策の目標が定まらなくとも、畜産経営が社会の一員である以上、定められた法律の内容、具体的には悪臭防止法や地方自治体の条例に定める基準を守って畜産経営を営む義務があります。義務を守ることで畜産を営む権利が認められます。法律や条令を遵守し悪臭対策の到達目標に定めることは当然であると同時に、必要で十分な目標として認識する必要があります。

  • 悪臭対策の本質(まとめ)としてほとんどの人が悪臭対策ほど困難なものは無いと考え、対策技術の未確立をその理由に挙げる人が多い。そうではありません。畜産経営における基本的な環境整備対策の不備を、単なる悪臭問題として捉える誤った考えや、対策の目標を無臭化や苦情の絶滅などとする無理な考えが原因であることが判る。地域との調和や家畜の健康管理を考えると意欲的な畜産経営、成績の良い畜産経営を目指すことが、最良の悪臭対策になると考えられます。