令和6年活動報告会盛大に開催
2024.12.4
ナイスポークチバ推進協議会恒例の「活動報告会」は千葉市内京成ホテルミラマーレにおいて開催されました。今回の特別講演は、午後3時から講談師・ 一龍斎 貞鏡 先生のお話と講談をお聞きしました。
1.特別講演 |
一龍斎 貞鏡 先生のプロヒィール
1986年1月、東京都渋谷区生まれ。
武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業。落語家の三遊亭好の助、講談師の神田伯山は大学の先輩となる。
実父が講談師・八代目 一龍斎貞山、祖父が七代目 一龍斎貞山、義祖父が六代目 神田伯であり世襲制ではない講談界に於いて初の三代続いての講談師。2008年1月:八代目一龍齋貞山門下に入門・見習い。4月:前座修行開始。2012年2月:2ツ目昇進。二ツ目でありながら持ちネタは百席を超え、赤穂浪士の義士伝から恋噺、滑稽噺、新作と幅広い講談を読みこなす。中でも毒婦(悪女)伝と怪談噺に定評があったとある。
2022年文化庁芸術祭新人賞受賞。2923年10月:真打昇進
各地で行われる演芸会の他、幼稚園児~大学生に向けた学校寄席、講師、企業向けの講演会、ナレーション、司会、テレビ出演、新聞の連載など、講談を活かした様々な方面で活躍中。
「講談とは、日本の伝統芸能のひとつ。演者は高座におかれた釈台(しゃくだい)と呼ばれる小さな机の前に座り、張り扇(はりおうぎ)でそれを叩いて調子を取りつつ、軍記物(軍記読み)や政談など、主に歴史にちなんだ読み物を、観衆に対して読み上げるとある。
『4人の子育てと伝統芸能にかける人生』
講談師 一龍斎 貞鏡 先生
特別講演参加者は96名で、講演に先立ち今回なぜ「講談」なのかについて司会者から、たまたま2024年6月14日NHK「人生レシピ」に一龍齋 貞鏡先生が出演され「家庭との両立・講談に魅せられて」と題する放送を観るく機会があり、少子化の時代に3人の子供を育てながら伝統芸能に励み姿に感銘し、講演派遣ナビにより出演を依頼した旨の経緯説明いたしました。
来場者に講談を「生」で聞かれる方はと問いかけたところ手を挙げられて方は3名で他の方は初めての体験となりました。
早々に高座に上がり1時間のお話と30分の講談(赤穂義士伝)をお聞きいたしました。
お話の中では、400年の歴史を誇る講談は実は「女性の社会進出」が進んだ芸能であり、全国で100名ほどいる講談師の半数は女流で、最大規模である東京の講談協会は所属する46名のうち26名が女流とのこと。「それでも50年前は女流ゼロの完全な男社会だったたとのこと。最初は師匠から『女にはできねえからやめろ』と言われていました。父は仕事と家庭を完全に分けており、幼い頃から講談とは無縁の生活だった。しかし大学生の時にたまたま国立演芸場で父の講談『牡丹燈記』を初めて生で聴き、これだ! と居ても立ってもいられなくなった。
「講談界きっての美人講談師」との呼び声高い一龍斎貞鏡先生。女性ながらも骨太で迫力ある講談師として評判だ。父は仕事と家庭を完全に分けており、幼い頃から講談とは無縁の生活だった。しかし大学生の時にたまたま国立演芸場で父の講談『牡丹燈記』を初めて生で聴き、これだ! と居ても立ってもいられなくなった。「ひとりで何人もの人物を演じ分け、言葉だけで相手の心に響かせる講談に一目ぼれしました。また、父の後に登場した女性講談師がとてもきれいな着物でビシッと決めたお姿にも心を打たれました。すぐに「入門したい』と父にお願いすると、『女には無理だ』と断られましたが、諦めずに頼み続け、やがて向こうが根負けし入門することがっ出来ました。
21才で父・貞山のもとに入門するも下積み時代はつらい日が続いた。「前座は楽屋で下足番やお茶入れなどをするのが仕事です。講談師はゲンを担ぐので、間違えて違う履物を出すと『足を取られるじゃねえか』とカミナリが落ちました。お茶の濃さも先生によって違い、薄い茶を出すと『この馬のションベンみたいのは何だ!』と怒鳴られ、濃い茶を出すと『俺の喉を潰す気か!』と怒られた。怖さのあまりウルウルすると、『バカ野郎! 女を出すんじゃねえ!』とまた一喝。当時は何でこんなことやらなきゃいけないのかと思っていたけど、ある方から『目の前の一人の先生を喜ばせられないなら、大勢のお客様に喜んで頂くことなんて到底ムリだよ』と諭されて、ああ、そうなんだと妙に納得しましたと話された。私は講談のことを何も知らずに育ったので、二ツ目を『あにさん、ねえさん』、真打ちを『先生』と呼ぶことも知りませんでした。入門4年目に二ツ目に昇進してからも、同じように暫くはつらい日が続きました」転機が訪れたのは二ツ目になって2年後だった。たまたま参加したNHKの番組収録後の打ち上げの時、酔っ払ったスタッフから「清純ぶっているけど、それ素じゃないでしょ」「なんで貞鏡さんのままやらないの? 嘘っぽくてつまらない」と唐突に告げられた。「思ってもみなかった言葉がグサッときました。それまで“貞山の娘だからお利口さんでいないといけない。父の顔に泥は塗れない”との一心で自分を殺し、清楚な学級委員のように振る舞っていたので、『バレたか。だったら全部脱いでやる』と開き直り、自分らしさを全開にしたらすごく楽になった。高座でも、清く正しい良妻賢母を美しい日本語で話すことが多かったけど、素になってからは、毒婦がドスの利いた声で啖呵を切る話を好むようになった。不思議なもので、肩の荷が下りると周りの目が気にならなくなりました。吹っ切れてからは、わが道を突っ走り、伝統的な古典講談だけでなく、ピアノを取り入れた「ピアノ講談」や女性落語家らとのユニットなどで幅広く活動する。最近は全国津々浦々の土地にまつわる読み物を披露する会にも力を入れるようになりました。
先生がこだわるのは「初めてでもわかりやすい講談」だ。講談は史実にまつわる読み物を針小棒大に話して聞かせるが、「難しくてわからない」との声が少なくないので、昔の自分でもわかる講談をめざしています。
プライベートでは2016年に結婚して一児の母となって変わった面もる。「出産時の助産師さんがとても優しくて女性らしい柔らかさを持った方だったんです。それまでは毒婦伝のように啖呵を切るのが女性の強さだと思っていたけど、出産を通じて、柔らかな強さが女性の真の強さだと新たな発見をしました。それと母親になり、子供が出る話にすごく感情移入するようになりました。
わが子がこんなに愛おしいとは思わなかったし、これからは出産や育児で経験したことを、時と場所を選んでネタにして、高座で話す会も作りたいと話された。人生経験を増すことで講談師は成熟していく。「おばあちゃんになるまで高座に上がりたい」と語る貞鏡さんの講談は、この先さらに味わい深いものになっていくことと思われる。
残す30分の講談は「赤穂義士伝」を熱演されました。命を懸けて家の面目を保った赤穂浪士に、切腹の裁きを、と主張した急先鋒でも有名な荻生徂徠の話では落語の噺にもなっている”徂徠豆腐”の話もしっかり聞かせていただきました。
荻生徂徠と言えば江戸時代の儒教の御用学者で大思想家。将軍のご意見番を長く務めた方です。今で言えば、首相補佐官のようなものでしょうか。つまり政治の中枢に長らくいた人物。当時、江戸市中では、かわいそうだから無罪放免にしてやれ、という声が多かった。それでも徂徠が主張を曲げなかったのはなぜか。それは、政治には情と法が必要であり切腹は、浪士にとって武士としての最大の情けであろうし、あだ討ちがご法度であった当事としては、法に則った裁きでもあり、吉良家としても面目が保てるから。お蔭で市中での荻生徂徠の評判はがた落ちだったそうですが、もし逆の裁きをしていたら、公の秩序は崩れ、武士としての面目は失われ、両家に禍根を残すことになったはず。逆に言えば、大石内蔵助が討ち入り直後に直に浅野の墓前で切腹しなかったのは、勝手に切腹せず、公命による切腹を待つことにより、浪士の間に不満が多少でたとしても、赤穂の面子を保ちながら、吉良家の顔を立て、全て一件落着禍根を断つ結論を見ていたからではないか。これが政治というものだとある。 |
2.報告会 |
「活動報告」は千葉市中央区京成ホテルミラマーレ「ローズルーム」において熊谷千葉県知事をはじめ、国会議員では、(公社)千葉県畜産協会会長・森 英介衆議院議員他松本 尚衆議院議員、小池正昭衆議院議員、豊田俊郎参議院議員他ご来賓、中央・県域団体関係者、サポーター会員の皆さん、会員(生産者・賛助会員)総勢179名が参加され,会場にはナイスポークマスコット着ぐるみ2体(ナイス君、ちーとん君)が登場して会場を盛り上げました。
柴田行雄副会長から開会の言葉、青柳耕一会長から「協議会の活動は26年目に入り、これも皆様のご指導、ご支援、ご協力の賜物と深く感謝を申し上げる次第であります。さて、畜産を取り巻く情勢は、生産資材の高止まり、高騰により大変厳しい生産環境が続いています。本年政府は、農政の憲法ともいわれる「食料・農業・農村基本法」を四半世紀ぶりに改正し、新基本法の下で食料安全保障などの関連する様々な施策が見込まれています養豚農業を担う産業として、耕畜連携を高めながら組織として生産者の意向が反映されるよう活動してまいります。そして、私たち生産者は、本年度事業計画に掲げましたように、経営基盤の強化のため、衛生、経営、環境、青年の各部会間の連携と情報の共有を図りながら積極的に活動してまいります。特に、経営安定に影響のある衛生対策については、バイオセキュリティの強化を図り、慢性疾病、豚熱など発生させない事に全力を注ぎながら、万が一に備えた対策・対応を県関係機関のご指導を仰ぎ進めてまいります。私達協議会は今後も、消費者から求められるおいしい豚肉を安定的に生産し、供給することを常に考え活動してまいりますので、本日ご出席の皆様の変わらぬ、ご指導、ご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます」と挨拶.
3.ご来賓祝辞 |
ご来賓として、熊谷俊人知事、森 英介衆議員議員、松本 尚衆議院議員、小池正昭衆議院議員、豊田敏郎参議院議員、瀧田 敏幸県議会議長、實川 隆自民党畜産議連会長、(一社)日本養豚協会香川雅彦会長(代理:鋤柄 卓夫専務理事)からご祝辞をいただきました。
4.令和6年文化の日千葉県功労者表彰受賞披露 |
11月3日の文化の日に、ナイスポークチバ推進協議会前会長である岩岡喜久男氏は、長年の養豚振興の功績が認められ「農林水産功労」部門で表彰を受賞されたことから、報告会の場で披露し、養豚生産者、関係者ともども受賞をお祝いしました。
5.乾 杯 |
乾杯は 自民党県議会畜産議連幹事長 信田光保議員からご発声いただきました。
6.活動報告 |
2024年の活動内容として、特に映像では、消拡大(千葉県畜産フェアー・JPPA俺豚)、疾病に対する水際対策(成田空港防疫キャンペーン)部会(衛生・経営・環境・青年)活動についての紹介を協議会熱田 力副会長から報告。詳細については「NP通信26号」で確認をお願すると共に、生産資材の高騰により、大変厳しい状況ではあるが安定した生産に努め、県産・国産豚肉を消費者に提供すると力強く報告いたしました。
❉県産銘柄豚肉の食べ比べ |
昨年同様に県内銘柄豚肉7銘柄を会場において「しゃぶしゃぶ」で提供し、来場者に味わっていただきました。提供された下記豚肉はバラ肉3㎏・スライス2mm厚で用意いただきました。
≪ 提供された銘柄肉 ≫①花 悠 ②日の出ポーク ③ダイヤモンドポーク ④千葉県産いも豚 ⑤東の匠SPF豚 ⑥元気豚 ⑦房総ポーク
提供された「しゃぶ・しゃぶ」調理は、銘柄を生産する生産者、銘柄を販売する会社のスタッフとそれぞれ自慢の豚肉を自ら調理し、来場者に提供いたしました。銘柄による味の違いが、来場者にも確認できたものと思われます。
7.消費者・サポーター会員との情報交換 |
昨年に続き消費者団体及びサポーター会員の皆さんとの情報交換会を開催いたしました。例年二桁のサポーター会員の参加を募ってはいるもののなかなか難しい状況にあるができるだけ消費者との交流の場を広げていきたいと考えている。司会進行は林 浩之副会長、回答者はナイスポーク役員が受け持ちました。
≪サポーターさんからの質問≫
〇 様々な品種の豚肉をいただくことができてとても良かったです。千葉県ではこのように沢山の種類の豚肉があることをしりました。輸入豚肉と国産豚肉の一番の違いは何でしょうか。生産費が高騰している中で大変と思います。国産のお肉がいただけることはとても幸せなことだと感じています。これからも応援しています。
〇 5年ぶりにサポーター会員として復活でき大変嬉しく思っています。やはり千葉県産の豚肉は他とは別格だと思っています。他県の親戚にも大変美味しく食べて喜んでもらっています。
〇SNAで千葉の豚肉のおいしさをもっとアピールをしてもいいのではないでしょうか。最近東京Ⅹという銘柄を聞きますが(食べたことはありません)やはりおいしいのでしょうか?
〇 食料自給率を上げるための取り組みは食料安全保障の見地から国策ですが、消費者たる我々一人一人が身近に考え、行動することで僅かでも寄与できるものかと・・・このような考えが浸透することを願っています。若い世代、その次の世代の人達が良き後継者になるための方策を考えてください。
〇 平成29年にたまたま聞いたラジオからサポーター会員になり、2年間会員でした。その後5年間ずっと待ちに待って、今年ようやく会員いなれ感謝をしています。会員にとってとてもおいしいブランド豚肉を年間を通じて食べられる良い活動だと思います。毎回すばらしいいろいろな資料にも関心しております。素朴な質問ですが、生産者といえども毎日食卓にとんかつがある事はないと思いますが、豚肉はどのくらいの頻度で食べられているのですが?
〇 私はサポーター会員からの質問を取り上げていただいたお米を生産している者です。お米が家畜の飼料として有効活用されていて肉質も向上することを知りました。耕種農家と畜産農家の連携がもっと強まることを期待します。
8.千葉ロッテマリーンズ選手との交流 |
元千葉ロッテ2軍監督であった木下徳人氏と向後隆輝氏とのつながりから、今回の選手は、一昨年参加いただいた背番号0 荻野貴司外野手と新たに、背番号00 池田来翔内野手の2選手の参加をいただきました。会場に到着次第控室において色紙へのサインをお願い致しました。
9.養豚産業を守り発展させるための決議 |
中締め予定の午後8時が近づいたことから、出席した役員全員が登壇し、ナイスポークが活動する基本となる決議を行なった。決議文の内容はほぼ昨年同様の内容となり、北田 好克副会長が朗読いたしました。
決 議 豚肉生産のための飼料・資材価格の高止まりに加え、豚熱対策、侵入脅威にあるASFなど、かってない大変厳しい生産環境におかれている私達生産者は、この苦境を乗り越えるため、経営分析による経営改善と衛生対策の強化による生産性の向上を図るための情報の共有と、それに伴う必要な要請活動など、組織一丸となって活動してまいります。
1. 飼料・資材価格の高騰・疾病対策と大変厳しい環境にある私達生産者は、常に経営改善に努め、おいしい豚肉を安定的に消費者に届けるため、努力してまいります。
2. 経営存続のため、法的殺処分された家畜は、レンダリング装置の活用により埋却から焼却処理への方向転換を強く求め活動してまいります。 令和 6年12月4日 養豚生産者並びに養豚関連業界で創る組織 ナイスポークチバ推進協議会 会長 青柳 耕一
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10.中締め |
中締めは、菅谷知男会長代理から「長時間にわたりご参加いただきありがとうございました。私たち生産者は、厳しい生産環境に置かれてはおりますが、知恵を絞り生産に励んでまいりますので、より一層のご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。中締めは「ようとん」で締めたいと思います。ご唱和をお願いいたします」と挨拶。
今回の開催されました「特別講演」96名、「報告会」179名と多数のご参加をいただき、盛会に開催することができました。生産者会員の参加者45名と会員全体の36%のご参加をいただきました。生産者組織による主催だけに生産者がより多く参加されたことは成功であったと思います。今後はより消費者の参加を募り、交流を深めるとともに千葉県産豚肉の消費拡大に繋げられるよう精進してまいります。