自由民主党養豚農業振興議員連盟総会開催・JPPAから要請書提出

2025.3.11

例年この時期に開催される自由民主党養豚農業振興議員連盟総会が東京千代田区永田町自民党本部9階会議室において開催されました。会議にはJPPA関係者として香川会長以下26名参加しその内、千葉県からは3名が参加いたしました。

森山 議連会長

葉梨議連幹事長

開会に際し、森山 裕会長から「昨今、農林水産業を取り巻く環境は国際情勢の変化に伴い生産コストの上昇や農業従事者の急激な減少と、大きな転換期を迎えている。食料・農業・農村基本法の基本計画の中に生産基盤の強化、食料自給率の向上などを通じた食料安全保障の強化を盛り 込む必要がある。養豚に関しては配合飼料価格の高止まりや、豚熱等の課題がある。 韓国で発生・継続しているアフリカ豚熱については防疫措置を強化し侵入を防ぐこと が重要である。本総会において養豚協会から意見・要望を聴いて先生方と議論をした い」と挨拶。

続いて葉梨幹事長から「 数年来、養豚を取り巻く状況は豚熱以外に配合飼料の課題もある。現在、食料・農業・ 農村基本計画の見直しに併せ、養豚農業基本方針についても見直しを行っている。養 豚農業を振興していくため、意見を伺い積極的な議論をお願いしたい」挨拶をいただきました。

また、遅れて到着された坂本副会長から「国産農耕飼料の中で飼料用米はこれからも可能性がある。令和9 年度から新たな水田政 策が開始されるが、飼料用米を確保し支援体制が続くよう取り組む」と挨拶された。

協議に入る前に、農水省より「新たな養豚農業の振興に関する基本方針の検討状況いついて」説明が行 われた。

(1)「新たな養豚農業に振興に関する基本方針(全体像)」、

(2)「養豚をめぐる情勢」、

(3)「養豚農業の振興に関する基本方針(案)」

(4)「 要請書の衛生に関する部分について」

(5)「養豚農業の振興に関する基本方 針(案)」

(6)「豚の伝染性疾病の発生の予防及び豚の伝染性疾病が養豚農家の経営 に泳雄影響の緩和に関する事項」

香川会長から 議連森山会長へ要請書が提出された。

 養豚農業の振興に係る提案(要請)

要請項目

1。新しい「食料・農業・農村基本法」、「食料・農業・農村基本計画」及び「養豚農業の振興に関する基本方針」の下での養豚農業の振興

(1)農場生産やと畜、物流等の要する費用が考慮された、再生産・再投資が可能な水準の価格形成が実現されるよう、制度の早期実現をはかること。

(2)養豚農家戸数が大きく減少を続ける中、中小農家を含め、生産性向上や付加価値向上による経営改善に取り組む生産者への支援を強化すること。

(3)飼料米や子実トウモロコシ、食品廃棄物など国内由来飼料原料の安定供給への充分な支援を継続すること。特に飼料用米については重要な国産濃厚飼料として政策に位置付け、その生産を引き続き推進するとともに、国産飼料用米、備蓄米、MA米を適切に活用して養豚農家への安定的な供給・利用を推進すること。

2.豚熱等衛生・疾病対策の強化

(1)飼養衛生管理とワクチンによる豚熱対策に引き続き支援をいただくとともに、殺処分頭数削減対策の検討をはじめ、豚熱対策の点検と見直しを行うこと。また、イノシシの徹底的な駆除を進めること。

(2)アフリカ豚熱や口蹄疫の国内侵入を決して許さないよう、海外での取り組みも参考に、反復・組織的と思われる持ち込みへの対応やⅩ線装置等の活用に向けて取組を行うなど、水際対策を一層強化すること。

(3)各種伝染性疾病に対する「農場防疫」「水際対策」に加え、家畜保健衛生所と地域の生産者との連携を密にし、地域が協力して疾病の侵入と発生を防止する「地域防疫」を推進すること。

3.生産費用高騰に対するセ―フティネット

飼料のそ他の資材費、設備等償却費、労働費、輸送費等の生産コストが高止まりの様相を示す中、配合飼料価格安定基金制度の長期の視点に渡った安定的な運用のほか、肉豚経営安定交付金制度(豚マルキン)等の機動的な発動、地域間格差の是正等により、万全なセーフティネットを講じること。

4.循環型社会や低環境負荷社会を実現する畜産環境対策

家畜堆肥等の有効利用を促進するため、耕畜連携による資源循環促進への取り組みを強化すること。また、排水基準などの環境規制が強まる中で、低コストで有効な堆肥利用、汚水処理、臭気対策等の研究開発と、現場への実装に対する支援を強化すること。

5.国内のと畜場や飼料工場の老朽化が進んでおり、安全な畜産物の安定供給のため、施設整備を支援すること。