自由民主党養豚農業振興議員連盟総会開催
2026.3.5
自由民主党養豚農業振興議員連盟の総会が参議院議員会館の会議室にて開催されました。議員出席者:会長 森山裕先生、幹事長 葉梨康弘先生、事務局長 井野俊郎先生、ほか議員本人出席26名、代理出席23名、合計52名。JPPA出席者:会長 香川雅彦ほか42名。農水省出席者:畜産局 関村静雄審議官、消費・安全局 木下審議官ほか9名。開会にあたり養豚議連森山会長から今回の議連は豚熱の選択的殺処分等、家畜伝染病予防法改正の内容について議論をお願いしたいとお話がありました。農水省からは家伝法改正やさいたま市場の廃止等について説明されました。JPPAは「家畜伝染病予防法の改正等養豚農業振興に係る提案」として以下4項目を要請しました。1.家畜伝染病予防法の速やかな改正等、衛生・疾病対策の強化2.農業構造転換集中対策期間における養豚農業の振興3.生産費用高騰に対するセーフティネット4.循環型社会や低環境負荷社会を実現する畜産環境対策。議員の先生方より国内生産の振興、群馬県で発生した豚熱、消費税等について活発な議論が交わされました。
家畜伝染病予防法の改正等養豚農業振興に係る提案(要請)
令 和 8 年 3 月 5 日
一般社団法人日本養豚協会(JPPA)
会 長 香川 雅彦
日頃より我が国養豚農業の振興にご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。
飼料その他経費の高騰、生産農家の減少など、食料の安定供給をめぐる国内外の情 勢が大きく変化する中、新しい「食料・農業・農村基本計画」及び「養豚農業の振興 に関する基本方針」の下で、養豚生産者は国民の皆様においしい豚肉を安定的にお届 けできるよう努力しています。 2018 年の再発生以降生産者を苦しめている豚熱については、選択的殺処分など対 策の見直しが進められていると承知しています。これらの見直しを含め、生産者が将 来に向けて安心して経営を継続できるよう、以下のとおり提案申し上げます。
記
1.家畜伝染病予防法の速やかな改正等、衛生・疾病対策の強化
(1)豚熱発生農場の選択的殺処分への移行に際しては、予め生産者の意見を十二分 に聴取し、防疫措置及びその後の農場管理等において、個々の経営及び生産活動 に不要な負担を強いることが無いよう制度を設計するとともに、その円滑な実施 について自治体及び関係者を適切に指導すること。
(2)安定的な経営維持の観点から、殺処分はまん延の防止に必要な範囲で行うこと とし、やむを得ず殺処分される豚への手当金や安心して経営を維持・継続するた めの家畜防疫互助事業などにより発生農家へ十分な支援を行うこと。ただし、選 択的殺処分の範囲の確定に当たって、豚群の免疫付与状況等を科学的に評価し、 続発やまん延の防止のために必要と考えられる場合は、全頭を対象とすることを 含めた適切な対策を講じること。
(3)殺処分後の防疫措置及び農場管理については、適切かつ実施可能な措置・管理 となるよう生産者と連携しながら、生産者及び自治体を丁寧に指導すること。万 一、殺処分の追加が必要になった場合も、経営の安定のため十分な支援を行うこ と。 風評等によりと畜場への出荷や農場間の生体移動等が阻害されることが無い よう特に留意すること。また、移動制限等によって出荷遅延等の損失が生じた場 合は十分な支援を行うこと。生体に加え精液等についても円滑な流通を確保す ること。
(4)発生農場が行う衛生管理の改善について、適切な指導を行うとともに、生産者 が指導に対処していくため補助事業を活用する場合には、配慮すること。
(5)生産者は新しい埋却地の確保や、埋却地の悪臭や浸出液に大きな困難を感じて おり、焼埋却を補完する新たな処理方法の確立等を進めること。
(6)鳥獣被害防止対策関係予算等あらゆる手段を活用し、イノシシの徹底的な駆除 を進めること。
(7)台 湾 やスペイン、韓 国 でアフリカ豚熱が発生した。一方で、地方空港等も含め、 我が国への訪日外国人数は過去最大に増加している。アフリカ豚熱や口蹄疫の国 内侵入を決して許さないよう、増加する輸入禁止品については厳しい対応を行う ほか海外での取組も参考にX線装置等の活用など水際対策を一層強化すること。
(8)各種伝染性疾病に対する「農場防疫」、「水際防疫」に加え、家畜保健衛生所と 地域の生産者との連携を密にし、地域が協力して疾病の侵入と発生を防止する 「地域防疫」を推進すること。
2.農業構造転換集中対策期間における養豚農業の振興
(1)養豚農家戸数が大きく減少を続ける中、畜産クラスター事業など農業構造転換 集中対策予算等を有効に活用し、生産性向上や付加価値向上等の経営改善に取り 組む生産者等を支援すること。
(2)特に食肉処理施設については、食肉卸売市場を含め、その老朽化が進む中、農 業構造転換集中対策予算を有効に活用し支援すること。 加えて、施設運営に当たっては、様々な事業関係者の利害調整や、地域行政の 畜産振興の方針等との整合が必要となる中、特に施設の存廃や再編・合理化に当 たっては、都道府県も積極的に関与するよう、国からも働きかけを行うこと。 また、卸売市場の廃止については、価格形成機能等の市場が有する公共的役割 を踏まえ、①市場開設者は決定に際し、出荷者や買参人などの様々な関係者の意 見を聴取する、②出荷先の確保なども含め、関係者の影響を最小限にする責務を 尽くすこと、等を担保する運用面の方策について検討すること。
(3)飼料米や子実トウモロコシ、食品廃棄物など国内由来飼料原料の安定供給への 充分な支援を継続すること。特に飼料用米については令和7及び8年度における MA米の販売について特段のご配慮をいただきお礼申し上げる。飼料用米を今後 とも重要な国産濃厚飼料として政策に位置付け、その生産を引き続き推進すると ともに、現場での使用実態を踏まえ、令和9年度以降においても国産飼料用米・ 備蓄米・MA米を適切に活用して養豚農家への安定的な供給・利用を推進すること。
(4)安全でおいしい国産豚肉に関する情報の提供等、豚肉の消費拡大に向けた生産 者の取組への支援を強化すること。
3.生産費用高騰に対するセーフティネット
飼料その他の資材費、施設等償却費、労働費、輸送費等の生産コストが高止まりの様相を示す中、配合飼料価格安定基金制度の長期の視点に渡った安定的な運 用のほか、肉豚経営安定交付金制度(豚マルキン)等の機動的な発動、地域間格 差の是正等により、万全なセーフティネットを講じること。
4.循環型社会や低環境負荷社会を実現する畜産環境対策
家畜堆肥等の有効利用を促進するため、耕畜連携による資源循環促進への取り 組みを強化すること。また、排水基準などの環境規制が強まる中で、低コストで 有効な肥料利用、汚水処理、臭気対策等の研究開発と、現場への実装に対する支援を強化すること。



