【最近気になる情報・意見】食肉・脂肪・コレステロール

わが国では、食肉の摂取量が増えるとともに肥満と疾病のことが指摘し始められ、日本型の食生活の方が健康で長生きにつながるなどと盛んにいわれているが、果たして本当にそうなのだろうか?

まず考えてもらいたいことは、人間と動物。たとえば牛や豚は人の身体組織の構成成分とほとんど同じであるにもかかわらず、食肉は動物ではなく「食べ物」と思っていることである。
すなわち、人間の体と同じ成分をもっている食肉を摂取することは、人間に必要な栄養素やミネラルなどを摂取できることになり、アミノ酸スコアーをみると、ほとんどが摂取できることが分かり、栄養摂取障害等になることは考えられない。

しかし、食肉は肥満、疾病の要因は誰でも脂肪やコレステロールを挙げ避けるようになっている。食肉の脂肪やコレステロールについては大変誤解されている面が多い。
ただ、最近の研究では、食肉にとって良い報告がいろいろと発表され始めている。 そこで脂肪とコレステロールの基礎知識について、もう少し考えてみよう。

脂肪について
脂肪とは、学問的に用いる用語で食品では「油脂」といわれ、動物性のものと植物性のものがあり、油脂の区別は常温において固体の状態を「脂」、液体の状態 を「油」と分けられる。油脂は一般に中性脂肪、すなわちトリグリセリドといわれ、健康診断で血液中に中性脂肪はこのくらいですといわれ、びっくりして食肉 を控え、植物性のものを食べ、魚類を食べ、油物をとらないといった人も多い。

脂肪は身体の中では重要な働きをしており、生命の維持には欠かせない栄養素であることから、じっくりと中性脂肪については考えて行動をとることが必要である。
中性脂肪は、正確にいえばアルコールの一種であるグリセリンに脂肪酸という成分が三つついたものである。この脂肪酸には多くの種類があり、どの種類がグリ セリンに結合するかで、中性脂肪の性質が異なってくる。体内に入った食べ物の油脂やその仲間の物質(脂肪という)は、さらに体内に取り込まれるものとして は、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、脂肪酸などでコレステロールと中性脂肪は同じ仲間なのである。

体内に入った脂質は、血液やリンパの流れに乗って循環し、その一部は脂質のコントロールセンターである肝臓にいき、また肝臓から体内の各組織に戻ってい く。組織に送られたリン脂質とコレステロールは、あらゆる組織の細胞の膜を形成する成分となり、身体を維持するために重要な働きをしている。
一方中性脂肪は、筋肉組織や皮膚に蓄えられ、エネルギーを多く使用する場合に放出し、少ない場合には蓄積し、身体のエネルギー源として使用され、そのために放出と蓄積を繰り返し、放出と蓄積のバランスをうまく保たれれば肥満を防ぐことができる。

脂肪酸とは何だろうか?
脂肪酸というのは中性脂肪をはじめ、脂質の中で重要な構成成分を占めているのが脂肪酸である。その代表的なものは、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などで人間のエネルギー源として非常に重要で冬眠中の動物や渡り鳥にとっては、唯一のエネルギーが脂肪酸といわれる。

脂肪酸には、人間が正常に発育し、生理機能を維持するために不可欠な必須アミノ酸がある。この必須アミノ酸(多価不飽和脂肪酸)は体内で生成できないため食べ物から摂取しなければならない。脂肪酸を動かすのは、タンパク質とのバランスが良い状態の時である。

そして、脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに大別される。
不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に区別され、食肉には飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が多く、魚肉や植物油には多価不飽和脂肪酸が多く含まれてていることから食肉の脂肪酸は悪者で、不飽和脂肪酸は身体に良いといわれている。
しかし、決して区別はできないのである。

適正な摂取量を考える
これらの脂肪酸はどのような食品に含まれているかというと、飽和脂肪酸は、バター、食肉の脂など動物性食品の油脂に多く含まれ、個体の状態である。
不飽和脂肪酸はコーンオイル、米ぬか油、大豆油、サフラワー油など植物性の油に多く含まれ、常温では固まらない液体の状態である。
不飽和脂肪酸には一価のオレイン酸などと多価のリノール酸などがあり、多価の脂肪酸には生活習慣病を防ぐリノール酸や魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA),血液の上昇を防ぎ頭が良くなるといわれるドコサヘキサエン酸(DHA)等がある。

次いで、必須脂肪酸の代表的なものは、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などで、これは1日当たり3~5g程度摂取すればよいが、現在の摂取量はこれよりも多く、過剰摂取気味になっている。特にリノール酸の多量摂取と心疾患との関係が報告されている。
植物油はヘルシ―だからとむやみに摂取することは考えなければならない。
また、不飽和脂肪酸は熱や光、空気などに反応して酸化されやすく、酸化すると着色したり、臭いを出したり、ときには毒性を示す場合もあるので保存中の取り扱いの注意が必要である。

健康のため、ダイエットのため,多価の不飽和脂肪酸が多く含まれる植物性の脂肪の摂取、リノール酸の過剰摂取を考えなければならない。