日本人のバランスの取れた食事・肉の効用

●長寿を目指す食べ合わせ

日本人はなにかというと、「あれは体にいい」「これは体に悪い」と決めつける。
しかし、食事は一つの食品のみでできているのではない。各種の食品を組み合わせて作りあげるものだ。たとえば、肉=コレステロール=悪いという連想から、肉を避けた食事を続ければ、免疫力が落ちたり、ストレスに弱くなったりする。老化も進んで寿命を縮めるだろう。

日本でも百歳以上の元気な人たちは、良質なたんぱく源である肉を良く食べていたという調査結果もあるくらいだ。大切なのは肉を食べるときには、野菜、豆腐 などの植物性食品などを多めに一緒に調理することだ。食べ合わせる食品を上手に選べば、これらがコレステロールを抑えてくれるうえ、肉の栄養も十分にとれ るし、よりおいしくなる。

「医食同源」の食事とは、簡単にいえば、それぞれの食品が持つ機能を知り、上手に組み合わせてバランスのとれた料理や献立を作ることだ。美味しく食べて、病気予防、治療することにつながる。健康で長生きしたければ、無理な制限食や味気ない食事に甘んじることはよくない。

(医食同源・新宿医院院長:新居 裕久)

 

豚汁で野菜を多く採ろう

日本人のもっとも不足している食品は、野菜。厚生労働省では、一人1日野菜を350g以上、内緑黄色野菜を 120g以上とることを目標にしている。しかし、最近の国民健康・栄養調査の結果によると、70g前後不足しているようだ。これでは、メタボリックシンド ロームになりかねない。野菜は低エネルギーで、生活習慣病の予防になるビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどのファイトケミカルをたくさん含 んでいるからだ。そこでおすすめしたいのは、とん汁(ぶた汁ともいう)。

とん汁とは、豚肉に野菜などを加えて味噌(みそ)汁仕立てにした汁物をいう。
普通の味噌汁に比べて具の多いのが特徴で、食べる味噌汁ともいわれる。
これでごはんを食べれば栄養のバランスをとることも可能である。よく使われる材料は、豚肉、油揚げ,人参、ゴボウ、大根、さといも、こんにゃく、ねぎ、など7~8種類。
これを好みの形に切って、サラダ油でいため、だし汁を加え、少し煮て味噌で味をつける。

この料理法が好ましいのは、野菜類に多く含まれるビタミンB群、Cといった水溶性ビタミンが汁に溶け出してくれること。ビタミンA(カテロン)、Eなどの脂溶性ビタミンの吸収率が高まることなどである。
また、血圧上昇を防ぐカリウム、カルシウム、マグネシュムなどがとりやすく、さらに具をたくさん入れた分汁の量が減り、その分減塩ができる。
牛乳とよく合い、食べる時に加えるとうまみとコクがでてより減塩しやすい。

(医食同源・新宿医院院長:新居 裕久)