令和元年度ナイスポークチバ協議会通常総会開催される
年号が平成から令和に変わった6月6日(木)千葉市内オークラ千葉ホテル3階「ウインザー」において、ご来賓、生産者、賛助会員、市町村事務局総勢138名の出席をいただき通常総会が午後3時から開催された。
開会に際し、岩岡会長から「長引くPEDによる感染被害に加え、26年ぶりに岐阜県・愛知県で発生した豚コレラの拡大防止と封じ込め対策が急がれている中、近隣諸国で発生している口蹄疫やアフリカ豚コレラ等の悪性疾病侵入を阻止すべく、国は厳戒態勢に入っています。これら疾病の侵入を許せば、養豚存続の危機に陥ることは必至であり、強い危機感をい抱いています。また、発効2年目に入るTPP11及びEUとのEPAによる県内豚肉生産への影響をしっかり把握し、生産物が再生産できる価格で取引され、県産(国産)豚肉が安定して消費されるよう、消費拡大のための活動もより強化していかなければなりません。このような状況のなか、将来に向け生産安定と基盤強化を図るため、バイオセキュリティの再考による疾病対策を最優先課題として取り組んでいかなければなりません。自らの経営改善に努力し、消費者が求める安心・安全・美味しい豚肉生産のため努力してまいりますので、本年も、ご出席の皆様のご指導、ご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます」と挨拶。
来賓として、公益社団法人千葉県畜産協会会長 森 英介衆議院議員(松木専務理事)、参議院議員 豊田先生 俊郎、自由民主党県議会議員会畜産振興議員連盟副会長、阿井 伸也第73代千葉県議会議長、 千葉県農林水産部 半田 徹也部長、一般社団法人 日本養豚協会 竹延 哲治筆頭副会長からそれぞれご祝辞を頂きました。
ナイスポーク岩岡会長から挨拶
(公社)千葉県畜産協会松木専務理事から挨拶
豊田俊郎参議院議員から挨拶
千葉県議会阿井伸也県議会議長
千葉県農林水産部半田農林水産部長
(一社)日本養豚協会(JPPA)竹延筆頭副会長
≪提出された議案≫
第1号議案 平成30年度事業実績並びに収支決算報告に関する件
第2号議案 令和元年度事業計画並びに収支予算(案)に関する件
第3号議案 会費の賦課・徴収時期及び方法に関する件
第4号議案 任期満了に伴う役員改選に関する件
提出された4議案は全て承認され、新規役員が承認され、三役が決定した。
また、3名の顧問についても、理事会にて承認された旨報告しました。
総会終了後新旧役員による記念撮影
≪記念講演の開催≫
「バイオセキュリテイのチェックポイント再考」
(一社)日本養豚開業獣医師協会(JASV)代表理事 呉 克昌 先生
呉 克昌 氏 (一般社団法人日本養豚開業獣医師協会代表理事)
1980年に麻布獣医科大学を卒業し獣医師免許取得後、米国で豚の栄養学で修士を取得し、その後、育種について学んだ。
1983-2001年には、イワタニ・ケンボロー株式会社において技術部部長として種豚場のヘルスコントロールの統括や技術サービス・新技術の開発・普及に携わった。
2001年に有限会社(現・株式会社)バリューファーム・コンサルティングを設立、一般社団法人日本養豚開業獣医師協会の理事を2004年より務め、2018年に代表理事に就任した。
現在、約40社と契約し、コンサルテーションサービスの対象の農場は合わせると母豚規模で約6万頭以上となる。
代表理事を務める一般社団法人日本養豚開業獣医師協会は、動物用抗菌剤の使用量を把握して生産者への慎重使用の指導に取り組み、第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰で農林水産大臣賞を受賞した。
1.岐阜県養豚場の飼養衛生管理基準の再点検とそこから学ぶこと |
◎ 飼養衛生管理基準とそのチェックリスト
★ 生産者が最低限守るべき衛生管理の方法
★ それら全ての実施だけで伝染病の侵入防止、まん延防止を担保するものではない。
★ パーフェクトな農場はない。
★ バイオセキュリテイの弱点を認識し、生産者の自助努力で改善し、より強固なバイオセキュリテイ体制を構築するためのものと認識することが大事・
◎ アドバイスのポイント
★ 出荷車輛の再消毒ろ、消毒と駐車の位置
多くの農場が専用出荷車輛を保有、自社で洗浄・消毒
今までと畜場での交差汚染が無かったことに大きく寄与してきたと推定。
★ 車両の消毒薬の種類:有機物の存在と低温を考慮
低温下では逆性石鹸による消毒には限界。石灰との併用、グルタ系、塩素系消毒薬の使用が重要。
★ 電気柵の通電確認
★ 入場トラックの運転席、足マットの消毒・交換
★ ネズミ対策:豚舎周囲の整理と草刈・除草
2.農場個々のハード面の課題 |
★ 衛生管理区域内に侵入する車両が多い。
★ 公道が農場の中を走っていて衛生管理区域が分断されている。
★ 野外飼育
★ 豚舎間の豚移動を外を歩かせて実施していた。
★ 飼料タンクから豚舎まで、飼料をカートで運んでいたい。
3.これから学ぶべきバイオセキュリテイ |
○飼養衛生管理基準は、農場の衛生管理上守るべき必要最低限のもので、単なる実施は病気の侵入やまん延防止を100%保障するものではない。
○飼養衛生管理基準のチェックで弱点を知り、その項目をどのように改善、実施するかが重要。
(例えば:車両消毒や畜舎の入場ルール)
○間違いを起こしにくいシステム(ハード)の構築が重要
★ フェンス ★ シャワーイン・シャワーアウト(ワンウエイ)
★ 屋内飼育 ★ 豚舎入口での長靴交換
★ 衛生管理区域内への進入車両の制限(極力)と消毒の徹底
★ 出荷車両の防疫と洗浄・消毒・乾燥 ★ 衛生管理区域内に入れる全ての物資の消毒
4.アフリカ豚コレラへの備え |
★ バイオセキュリテイ・ハード面での備えバイオセキュリテイ・ソフト面での備え
★ 豚肉、豚肉製品を豚、イノシシに与えない ★海外研修生の教育
★ 中國・東南アジア製の飼料原料などの制限
使用する場合は、製造・衛生・輸送の確認と外装の消毒及び製造後78日間の保管時間の設定
★ 地域防疫推進、豚運搬トラック、飼料運搬車両、イノシシ対策
≪懇親・情報交換会≫
午後6時から3階「エリーゼ」において、新たに副会長に就任した飯田伴雄氏(東庄町)が司会役を務め来賓、会員118名の参加により懇親会が開催された。
開会に際し岩岡会長から御礼の挨拶。ご来賓として、(公社)千葉県畜産協会会長 森 英介衆議員議員、日本政策金融公庫千葉支店齊藤 佳子支店長からそれぞれご挨拶を頂きました。
乾杯のご発声は、全農千葉県本部畜産酪農課 明智 猛課長にお願いし、情報交換の宴がスタート
再任の岩岡喜久男会長から挨拶
森 英介衆議員議員から来賓挨拶
日本政策金融公庫齋藤支店長から
乾杯のご発声:全農千葉県本部 明智課長
今回県議会開会中ではあったが、休会日と重なり県議会畜産議連の先生方のご出席は残念ながら無かった。会場には、地元銘柄豚肉東の匠SPF豚のとんかつと、房総ポークのウインナーが提供された。 約2時間の懇親の宴の締めは、会長代理に就任した香取市:青柳 耕一氏の「よーとん」で締めお開き
ご来賓、祈念講演講師を囲んで
消費者団体の皆さん
青柳会長代理の中締め
令和元年は疾病対策と県産(国産)豚肉の消費拡大を大きな柱とし、この一年活動してまいります。会員各位のご支援、ご協力をお願い申上げます。