県関係者・生産者代表共に対策を考える 豚熱・迫るASF対策に関する意見交換会開催

10月19日、群馬県前橋市の養豚場で、2018年9月の国内発生後73例目、群馬県では4例目の豚熱発生との発表がありました。

ワクチン接種農場での発生に危機感を募らせる日々が続きます。

このような状況から、飼養衛生管理基準の強化に伴い被害を食い止めるべく、日々生産者はその対応に努力を重ねているところであります。

今回、現状を踏まえ、令和3年11月16日により対策強化を図るため、県庁農林水産部畜産課、家畜保健衛生所(東部・北部)とナイスポークチバ推進協議会3役他による意見交換会を開催いたしました。特に飼養衛生管理基準が強化され、各農場では飼養衛生管理マニュアルの作成が義務づけられています。特に飼養衛生管理基準で示されている下記項目については一部県が指導する部分と対応する生産者との考えに開きが生じているとの情報を耳にすることがあります。

(1)衛生管理区域の設定

(2)埋却地の準備

(3)衛生管理区域への野生動物の侵入防止(防護柵の設置・防護柵周辺の除草など)

(4)畜舎ごとの専用の衣服および靴の設置並びに使用

(5)野生動物の侵入防止のためのネット等の設置。点検及び修繕

今回、このような状況を改善し、疾病対策を共に前進させる事を大きな目的として開催された。


今回協議会役員を通して関連事項に対する意見調査しました

 

NPC役員からの事前調査による一部意見

 

1.野生イノシシ等対策について(防護柵・防鳥ネット他)

① 継続して野生イノシシの抗体確認の強化

② 野生イノシシを農場に入らないようにしても、ウイルスを持ったイノシシが農場周辺に来た場合は防ぐことは不可能。イノシシ撲滅かワクチンしかない。2回接種を考えてほしい。

③ 防護柵が設置してあっても入場する車両等の消毒が不完全ではウイルスの侵入は防げないので入場の際の消毒(ゲート)を周知・徹底。

④ イノシシ対策としての防護柵を適正な強度・高さで設置が必要。飼料タンクからのエサのこぼれ対策が必要。野鳥対策としては、農場の周辺に柵を設置しても鳥は侵入するので豚舎間の通路などに防鳥ネットを設置する。

⑤ 柵は常に半額助成してもらえれば、設置は推進できるのではないか。堆肥舎までネットを設置する意味があるのか疑問。新設農場でも、柵の設置助成をお願いしたい

⑥ 検査頭数を増やすと同時に、市町村での捕獲、発生状況について畜産農家への情報の提供。イノシシ対策として耕種農家との連携(環境づくり)


 

2.より効果を高めるワクチン接種(方法)について

① 接種間隔を少しでも短くしたい・2回接種の可能性

② 農場ごとに適正な接種タイミングを掴む必要がある(抗体検査)自農場における接種時期を掴み正確に接種する。

③ 獣医師に頼まず、生産者自らワクチン接種できる体制を求める。

ワクチンブレークを極力なくしたい。

④ 知事認定獣医師に頼むと、県からの補助が無くなるのはなぜか。

⑤ 農場のスタッフが接種できるようにならなければ、接種のタイミングがズレる問題はなくならない。移行抗体のスキマを作ってしまっている。

ワクチンの管理は獣医師にお願いして、接種は農場スタッフで行えるよう願いたい。

⑥ 豚熱発生源が野外にあるので防げない。適正なワクチン接種時期が重要。

獣医師の指導で農家(生産者)接種できる体制を要請して欲しい。


 

 

3.殺処分に伴う処置(埋却・焼却・レンダ)につい

① 埋却地の確保が困難。

② 対策は、農場ごとに違うので、確認し把握することが必要。

③ レンダリング装置を扱える人材を増やす。殺処分した豚を埋却した場合には、地下水汚染などの懸念があるため、全ての生産者が自力で埋却地を確保することは現実的には難しいと考える。

④ ワクチン接種農場での発生による全頭殺処分はやめてほしい。

指導の中で埋却地、埋却地と繰り返しているが、北総地区は4mも掘らないうちに水が出てしまう。面積ばかり確保しても埋却地として使えない。

⑤ レンダリングの体制づくりと、発生時の対応シュミレーションを作成して三者(県・市町村・生産者)で情報の共有をしてもらいたい。

埋却地の確保についても行政も協力してもらいたい。

農場密集地帯での発生があった場合、埋却が難しい。ワクチン接種豚は殺処分しないようにしてほしい。

⑥ 埋却地の事前承諾は、再会を難しくする。産業廃棄物としての対応は出来ないものなのか。イノシシと同じように豚にも経口ワクチンの開発と変異豚熱ワクチンの早期開発もお願いしたい。

チェックオフの立ち上げにより、レンダリング処理対応も考えられないか。

 

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特に生産者から出された意見

野生イノシシ対策

◎千葉県は捕獲頭数が少ない。1頭でも多く捕獲・検査をして豚熱を入れない事が重要で畜産農家だけではなく耕種農家との連携協力が必要である。富里市はうまくやっている。

侵入があるとすれば、隠れる草や木がある利根川沿で東京方面から来る事はない。

利根川周辺対策が重要。県は畜産農家と地域住民では考え方と対応は異なると言われるが、地域住民にも、畜産農家が困っている事も知ってもらうことも大切


より効果を高めるワクチン接種(方法)について

◎当初ワクチン接種時期が30~40日齢、その後50~60日齢と指導が変った。

生産者はワクチンブレイクを極力なくしたい。そのための接種方法として2回接種を希望している。家保として農場ごとに異なる為、今ワクチン接種適期の指導は難しいとの事であるが、出来ない事を前提としてワクチン2回接種できる選択肢も考えてほしい。ワクチンは国及び県の管理により接種している。

発生の危険性の高い地域については、2回接種も認めるべきではないか。

◎2回接種についてはワクチンの供給量が足らないとの理由を聞くが、水際対策でも100%は無理であり、農場も100%守れない状況の中で、我々が何もせずに手をこまねいてはいられない。残る2割の中で発生したら全頭殺処分は納得できない。ワクチン半ドーズ接種についての検証願う要望も出しているが受け入れられていない。

自己防衛したくとも出来ない事はおかしいのではないか。県としていいよと言えない事は分かるが、1回接種で80%、2回接種で90%の効果が期待できるのであれば実施を考えるべきではないか。

ワクチン効果が安定させるために、2回接種できる選択肢も認めるべきではないか。

 

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◎≪JPPA豚熱部会作成≫検討した「CSFワクチン2回接種の要請」について、これが全国の生産者の声であり、ワクチンブレイクを起こさないために1週間1回ワクチン接種できる体制をお願いしたい。

これがまったく無理であれば、獣医師の指導のもと生産者にワクチン接種を認めるべきではないか。

ワクチン2回接種を希望する。1回で80%も2回で90%効果が期待できるのであればこの10%は大きい。地域によっては2回接種を認めるよう強く要請していくことが必要。

生産者組織として、獣医師の指導により経営者自らワクチン接種が可能となるよう、国に対し要請を続けて行きたい。

◎ワクチン接種適期を確認するための抗体検査は必要であり、家保には特にお願いしたい。

いかにワクチンブレイクをおこさせないようにするためには的確にワクチンを打つしかない。

 

 殺処分に伴う処置(埋却・焼却・レンダ)について

◎まずは発生させないこと。千葉県では焼却場所はない。

発生した農場は再度埋却地が確保できないと経営再開できない。今まで発生した農場の20%は廃業している。レンダリングの活用も視野に入れた中で再開を認めるべきではないか

産業廃棄物である殺処分した豚を埋却することは、環境問題を考えればいつまでも続けられるものではない。ヨーロッパでの処理はレンダが主体と聞いている。これは国が考えなければならない問題であると思う。

今回意見交換による対応が次のように集約された。

 

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1.野生イノシシ対策

いかに陽性イノシシを県内に入れないか策が大切。

地域生産者が、地元市町村及び猟友会と野生イノシシ対策について協議し、

捕獲対策を進めていく。

2.より効果を高めるワクチン接種(方法)について

に対し、ワクチン接種時期・間隔を狭めるため、

対応できる獣医師の確保をお願いしたい。

またワクチン抗体の状況把握のため、検査体制の強化をお願いしたい。

3.殺処分に伴う処置(埋却・焼却・レンダ)について

生産者で埋却地が確保できない場合は、

確保について地元生産者間で協議する。

また市町村と確保に向け協議を行う。

 

 

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難しい課題に対し色々な意見が出されたが、一歩踏み出すにも簡単ではないと再確認。確認だけで終わること のないよう一人一人が自覚し考え、県、中央団体、地元選出国会議員に対し要望していきたい。