令和8年度(一社)日本養豚協会(JPPA)通常総会開催

2026.6.30

2026年度通常総会は、経費節減のため、昨年同様東京千代田区平河町所在の砂防会館別館シェーンバッハ・サボー1階「利根」を会場として開催されました。全国から生産者及び県組織事務局132名、賛助会員98名、その他関係者を含め総勢385名が出席し盛大に開催され、ナイスポークからも14名が参加いたしました。

香川雅彦会長(宮崎)挨拶

総会開会に際し、香川会長から「昨年の豚肉消費は184万トンと引き続き高い需要を維持 し、特に、消費の6割を占める家計消費は、年間1世帯当たり の支出が3万5千円・購入量は22㎏と昨年より伸び、牛肉の 2万1千円、鶏肉の2万円と比べても、引き続き高い水準とな っています。また、卸売価格が比較的堅調に推移する中、豚肉 の生産量は89万7千トンと前年並みでした。一方でこのような中、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案が 国会で成立し、豚熱の選択的殺処分が導入されました。これ は、ワクチン接種のもとで、一定期間の移動制限や監視によ り、他農場への伝播リスクは全頭殺処分と比べて変わらないと の専門家による科学的な評価の結果であり、豚熱発生農家の早 期経営再開にも資する画期的な改正であると理解しています。 一方、選択的殺処分や、その後の農場管理は、これまで経験の ないものであり、個々の経営に不要な負担がなく、円滑に実施 されるよう、行政と生産者が一層協力することが重要です。 その他、2025年度JPPAは様々な活動を展開してまいりました。

(1)世界各国でアフリカ豚熱や口蹄疫などが流行する中、家 畜伝染病予防法の改正により水際防疫を強化

(2)畜産クラスター事業について、「持続性向上タイプ」の創 出など要件の見直しと予算の拡大

(3)食肉処理施設整備の補助率を最大3分の2に見直し

(4)いわゆる「令和のコメ騒動」の中で緊急調査を行い、飼 料用MA米の拡大を実現、また、2027年度以降の水田政策の 見直しに際しては、飼料用米の生産の振興と、安定的な供給の 重要性を訴え

(5)11月には青年部会を中心に「俺たちの豚肉を食ってく れ」を開催。また、新たに消費拡大等事業検討プロジェクトチ ームを立ち上げ、養豚農業に対する国民的理解を深め、消費拡 大のみならず、業界全体のさらなるイメージ向上のための事業 案を検討。本年度からこれら事業に取り組んでまいります。

最後に、ブラジルなど南米5か国(メルコスール)との経 済連携交渉が開始されると報道されています。メルコスールは 世界有数の畜産国であり、我が国への豚肉輸出を、この10年 間で急速に伸ばしています。豚肉など重要5品目が聖域として 確保されるよう、既に関係者へ説明を開始したところであり、 今後とも交渉の推移を注視してまいります。 JPPAは、我が国養豚経営の明るい未来 を創り上げるため、会員・賛助会員の皆様はもとより、関係する多くの関係者と連携を深め、共に考え、実行してまいりますと挨拶。

ご来賓として農林水産副大臣根本 幸典衆議院議員、自民党養豚農業振興議員連盟会長 (公社)中央畜産会 森山裕会長から夫々ご祝辞をいただきました。

総会で予定された下記全議案は承認されました。

第1号 議案:2025年度事業報告及び収支決算報告に関する件

第2号 議案:2026年度事業計画及び収支予算に関する件

第3号 議案:2026年度会費の徴収に関する件

第4号 議案:任期満了に伴う役員の選任に関する件

本年度、任期満了に伴い全国の各ブロックから推薦された候補者が承認され、理事の互選により三役等下記の通り決定いたしました。

三役役員( 2026~2027年度 )

役 職 氏 名 県名・区分 役 職 氏 名 県名・区分
会 長 香川 雅彦 全国 副会長 臼井 欽一 神奈川
会長代行 石川 輝芳 全国 竹延 哲治 鳥取
筆頭副会長 山本 孝徳 愛知 福田  実 大分
副会長 鈴木  寿 北海道 石渕 大和 熊本
  〃 橋本 晋栄 岩手 中村 臣助 学識験
  〃 菅谷 知男 千葉 専務理事 鋤柄 卓夫 学識験
 

理事・監事

 役 職 氏 名 県名・区分 役 職 氏 名 県名・区分
 理 事 中野渡 大 青森 理 事 島田 福徳 新潟
阿部 秀顕 山形 吉野  毅 岐阜
丹尾 久剛 秋田 松葉 泰幸 三重
塩田 善大 福島 近藤 用三 徳島
石川 貴泰 茨城 長友 浩人 宮崎
田中 一広 栃木 本田 玲子 鹿児島
岡部 雄太 群馬 中村 昌昭 沖縄
坂本 和彦 埼玉 佐竹 宣昭 全国
青柳 耕一 千葉 監 事 小田島新一 宮城
川上  弾 長野 小堀 長久 群馬

記念行事として2025年度部会活動報告及び記念講演が開催されました。

『 農業構造転換集中対策と今後の農政 』

自由民主党農業構造転換推進委員会 委員長

養豚農業振興議員連盟 顧問  江藤 拓 衆議院議員

I江藤  拓衆議院議員

  • 新たな食料・農業・農村基本計画のポイント
  • 農業構造転換集中対策(農地の大区画化等の効果)
  • 実施事業規模について
  • 中東情勢・農林水産物・食品輸出
  • 豚枝肉卸売り価格と養豚農業の振興に関する基本方針

枝肉価格は春・夏は堅調で、秋・冬は軟調という季節性があり、近年は例年より高値で推移。令和8年度は、物価高を背景とした底堅い需要や円安による輸入品の価格上昇等を背景に国産需要が増加。特に本年4月は、近年の猛暑の影響により、春先の出荷頭数の減少する中で、物価高に伴いGW前の手当て買いが急増したことから一時的に900円超えに急騰。5月以降は、需要も一服し、600円台で

【 養豚農業の意義 】

  • 豚肉は手頃な価格で購入できる良質なタンパク質として国民生活には不可欠
  • 多くの関連産業と結びつき、地域経済の発展と雇用の維持に貢献

【 現状の課題 】

  • 生産コストの上昇(飼料価格・設備投資・獣医療費の増加)
  • 環境問題(臭気問題・悪臭防止法への対応)
  • 疾病の発生リスク

(豚熱への対応・アフリカ豚熱侵入リスク・慢性疾病による生産性の低下)

  • 持続可能な社会への貢献

(環境負荷低減への取組・アニマルウエルフェアーの取組・薬剤耐性菌への対応)

  • 世界におけるASFの発生報告状況
  • 選択的殺処分の基本的な考え方

適切なワクチン接種により免疫を獲得した症状のない豚は感染拡大リスクにならないとの専門家の結論。これを踏まえ令和8年5月に家畜伝染病予防法が改正され選択殺を導入(公布日即日施行)これにより、母豚及び肥育後期の豚等は対象外となり、経営への影響は大きく低減。

  • 豚肉のブランド化、差別化

豚肉差別化のための指標・豚肉の脂肪交雑基準(PMS)・脂肪のオレイン酸測定

  • 日メルコスールEPA交渉の開始

メルコスール 南米南部共同市場(MERCOSUR:Mercado Común del Sur)。

6月16日、高市首相は、南米南部共同市場(メルコスール)との経済連携協定(EPA)交渉を始めることで合意した。メルコスールはブラジル、アルゼンチンなど南米5カ国で構成する関税同盟であり、加盟国は、世界有数の畜産(食肉)国であり、日本への豚肉輸出をこの10年間で急速に伸ばしている。メルコスールの目的は、自由貿易とモノ、人、通貨の流動的な移動を促進することである。(EU)のような自由貿易市場の南米での創設、具体的には域内での関税撤廃と域外共通関税を実施することが目的。日本へ大きな影響が考えられることから注視していなければならないと講演された。

小池 正昭(千葉県)衆議院議員を囲んで

元養豚議連宮腰会長・鈴木宗男参議院議員を囲んで

若井あつこ(岐阜)参議院議員と気合のポーズ

総会及び記念事業終了後、別フロアーにて懇親会が開催され、多くの参加者間で情報交換が図られました。