生産者が要望する豚熱に関する情報交換会開催

  2022.8.19

長野県が幹事県として7月20日(水)開催された関東養豚協議会において協議し、その後各県からの意見を取りまとめ、8月15日正式に(一社)日本養豚協会(JPPA)へ要請した内容について、県農林水産部畜産課との情報交換会を県庁会議室において開催しました。

県から大澤畜産課長、島田衛生対策室主幹兼室長、山﨑企画経営室主幹兼室長、永龍企画経営室副主査、NPC推進協議会から青柳会長、菅谷会長代理、林副会長、岩岡顧問、堀江アドバイザー、事務局加藤が出席し約70分意見交換を行いました。

初めに、NPCから関東養豚協議会で決議された要請書の中の豚熱に関する内容を説明し、合わせて6月のナイスポーク総会において旭市養豚推進協議会からの野性イノシシサーベイランスに関する要請」について報告いたしました。

豚熱対策等に関する緊急要請書

1.ワクチン接種・方法の対応

(1)地域によっては、抗体価が不安定な状況にあることから、薬機法に基づく用法、

用量の改正によりワクチン2回接種などの複数回接種の実施を国へ要望すること。

(2)豚熱ワクチンの空白期間をなくすため家畜防疫員、知事認定獣医師によるワクチ

ン接種であるが、適時ワクチン接種できるような体制を構築する。

家畜防疫員、知事認定獣医師だけで、この対応が難しい状況であるならば、獣医

師の指導の基、農場において責任ある立場の生産者が自ら接種できる体制を検討

するよう国へ要望すること。

(3)ワクチン接種適期の把握と効果を、国における動物試験を実施するなどし、検証

することを国へ要望すること。

2.野生イノシシ対策

(1)野生イノシシの徹底的な駆除を官民あげて推進するよう国へ要望すること。

(2)経口ワクチンの、より効果的な継続散布と効果検証を国へ要望すること。

(3)効率よく食べ、効率よく効果を発揮する新型経口ワクチンの開発を国へ要望する

こと。

3.発生農場の殺処分対応と処置

(1)現行の特定家畜伝染病対策指針では、発生農場においてはワクチン接種や症状の有無に拘わらず全頭殺処分とされている。全頭殺処分すべき理由と必要性に疑問が感じられる。ワクチン接種後抗体を獲得した個体では発症を防御できることから、豚熱マーカーワクチンの早急な開発などにより、豚熱発生農場における全頭殺処分の回避検討を国へ要望すること。

(2)埋却地の確保を基本としているが、緊急時に備え、移動式レンダリング装置の設

置と活用について、国は県に対し適格な指導をするように要望すること。

≪豚熱に関する事のみ抜粋≫

これに対し大澤課長から要請内容について、対応の現状について報告がありました。

情報交換の中で確認した内容は下記の通りである。

1.ワクチン接種・方法の対応:

〇 千葉県としてワクチン2回接種・複数回接種及び獣医師の指導の基に生産者自らワクチン接種できる体制を求め、重点要望として千葉県知事名で国へ要請している

今後の対応として、関東各県で足並みを揃えて同様の要請を各県において実施することが重要であることから幹事県から会員へ対応を依頼する事とする。

特にJPPAからの国への要請が重要。

〇ワクチンを的確に接種し、発生させない事を第一に考える事が重要であることから県

(家畜保健衛生所)からどの日齢でワクチン接種することが望ましいか指導をお願いした。

県からワクチン接種日齢については、県及び家保の指導として30~40日齢での接種を推奨する旨通知することで手配中との回答を得た。

獣医師への指導及び衛生便りによる生産者及び関係者への指導徹底を図る。

  2.野生イノシシ対策

○対策地区を指定(県南部地域)して検査実施を推進している。要望のあるサーベイラ

ンスに係る実績も上げている。綜合警備保障(ALSOK)・ジビエ検査50頭以上実施。

猟友会と協議し契約した市町村で8月27頭実施。

3.発生農場の殺処分対応と処置

発生農場における全頭殺処分について

発生農場における全頭殺処分については、県はワクチン接種農場でワクチン効果がそれなりに認められると判断できる農場については、全頭殺処分を回避する旨、知事名にて重要課題として国へ要請書を提出している

★しっかりワクチンを接種していれば、出荷していく間にオールアウト可能

★埋却地の確保については、千葉県からの要請により「家畜の死体の埋却に供する土地に係る農地転用許可制度の運用」が認められた。専ら埋却予定地として使用することを予定した土地は農業用施設に該当することを明示。実際にその土地を埋却地として使用する際は隣地の同意は生じる事を想定

埋却地・レンダリング装置の設置

レンダリング装置の設置については生産者組織からの要望であれば、県として助成措

置を考えることは可能である

例:クラスター事業

(設置場所・保管場所・処理作業・最終処分処理などのスキームが求められる)

★レンダ処理に係る経費の正式な報告は出されていない。

★レンダ処理しても75%は残る。埋却するか、焼却するかの判断が必要となる。

★焼却場所は農場所在の市町となる。場所までの運搬のための車両が必要。

★現状、千葉県では焼却できる場所はない。

★レンダ処理するための場所(広さ)は50×50mで一方通行の道路が必要。

入口・出口の2カ所必要。

○クロスコンプライアンスの回避

レンダリング装置が設置できる場所(広さ・道路)を確保できれば改善可能。

埋却地の確保が難しい状況においては、改善対応が出来るとの提案により、資金の利用のための回避は可能であり、現状その様な対応をしている。

豚熱対策に関する情報交換会参加者による